労働契約締結時の禁止事項


労働契約を結ぶ際の労働条件の明示とあわせ、使用者にはいくつかの禁止事項があります。

労働基準法では「労働者への賃金の全額支払」が原則となっており、同法6条でも「中間搾取の排除」を定めています。
これは、労働者が働いて得た賃金を、第三者が不当に中間搾取をすることを禁じるものです。
最近ではあまりないと思いますが、以前には労働者を工事現場などに紹介し、本来その労働者が受取るべき賃金の10%など、一定の割合を紹介者が受取るような営利目的の実態があったようです。
労働者は賃金を全額受取る権利を有しているにも関わらず、賃金の一部をピンハネすることは、明らかに労働基準法に違反するばかりか、そのような職業紹介や中間搾取を容認する前提での募集や供給行為は、職業安定法にも違反することになります。

また、人材派遣会社のように労働者を企業に派遣し、企業から派遣に対する収益を受けることは、一見中間搾取のようにも思えますが、派遣された労働者の雇用契約は派遣会社との間で締結されており、派遣先会社との間に雇用関係は存在せず、賃金は派遣会社から全額受取ることになるため、雇用関係のある派遣元と労働者の間には第三者の存在はなく、中間的な搾取も存在しないことになります。

以下の禁止事項は、労働者を守るための禁止事項です。
  1. 制労働の禁止

  2. 使用者は、暴行、脅迫、監禁その他精神又は身体の自由を不当に拘束する手段によって、労働者の意思に反して労働を強制してはならないことになっています。

  3. 賠償予定の禁止

  4. 会社を辞める際の違約金を定める場合や、会社に損害を与えた場合の賠償予定額などをあらかじめ契約に定めることは、不当に労働の選択を阻害する恐れがあり禁じられています。しかし実際に会社に損害を与えた場合に、労働者の賠償責任をすべて否定したものではありません。

  5. 前借金相殺の禁止

  6. 労働者に対して働く前提での前貸し金がある場合、会社はその労働者の賃金から貸し金を相殺してはいけないことになっています。これは労働基準法第24条での「賃金全額支払」の前提とともに、労働者に対しての強制労働などを防止する観点からです。しかし給料自体の前借や、住宅資金などの借り入れなどは該当しません。>/dd>
  7. 強制的な貯金の禁止

  8. 一般的に使われる言葉で「天引き貯金」ですが、使用者が労働者から強制的に賃金の一部を貯蓄にあてることは禁じられています。貯蓄をする場合は労働組合もしくは社員代表との書面協定を、労働基準監督署に届出ることなど、労働基準法に定められた諸条件を満たさなくてはなりません。

  9. 契約期間等についての禁止事項

  10. 契約期間を定める場合、例外的に高度の専門知識や技能などを有する場合は3年までとしていますが、通常は原則として1年を超えることはできず、また契約期間に定めがあっても、契約期間が経過しても労働者が継続労働している場合、会社側からの意義がない限り、同一労働条件による契約更改をされたとみなします。
    一般的には雇用期間期間を定めないことが多く、この場合でも期間の定めが無いといっても、契約解除に値する正当な理由が無ければ解雇をすることはできません。

このように労働契約を結ぶ際の禁止事項は、労働者の不当な拘束や強制労働などを排除し、労働の自由や賃金を受取る権利を保障することなどを目的としています。

posted by 労働基準法 at 09:18 | 労働基準法で定められた労働契約

一時帰休と期間中の保障


一時帰休とは、企業の業績などの悪化による、一時的な事業閉鎖や操業短縮を迫られた場合、解雇をおこなった場合は後日の労働力の確保が困難となりますので、後日の再稼動や元通りの操業に戻すため、一時的に労働者を休職させることを言います

企業としても解雇を行った場合、後日の操業時に新規雇用をおこなったのでは、労働者育成を図る一定期間の費用負担と、再開後のすみやかな事業活動ができないなどの、多くのロスが懸念されます。
労働協約就業規則に「会社の事業運営において必要な場合は一時帰休を行う」との内容が定められていれば、一時帰休期間の賃金保障の負担は必要となりますが、企業として総合的にメリットがあると判断した場合、解雇より一時帰休を選択します。

一時帰休期間の賃金保障については、一時帰休は労働者の責任によるものではなく、企業の都合によりおこなわれることから、労働基準法第26条休業手当が適用となりますので、保障については、一時帰休時点の平均賃金の60%が最低保障となります。
この最低保障については、労使や社員代表との話し合いにより、労働協約や就業規則に最低60%以上が定められておれば、その定められた割合が適用となります。

企業も資金繰りの厳しいこの間の賃金保障は、公共職業安定所に対し雇用調整助成金の申請をすることができます。(雇用保険法第62条、雇用保険法施行規則第102条の3)
雇用調整助成金は、休業手当や教育訓練、出向に対して支払う賃金負担額の一部を助成するもので、企業負担を軽減するなど失業の予防を目的として設けられています。

一時帰休中は一定の賃金保障があるとはいえ、大半は全額保障ではないため、やはり生計に影響があるのは否めません。そうなると期間中は実際に労働をおこなうことはないので、とうしてもアルバイトなど副収入のことも考えると思います。アルバイトについては、就業規則の兼業禁止規定が無ければ問題は無いと思いますが、

一時帰休は解雇とは異なり、労働者の地位を失うものではありませんが、期間は休職中ですので、労働時間や休憩時間などの服務規程も適用されません。
しかし解雇ではない以上、企業での就業規則など遵守項目については拘束されるものもありますので、念のため会社に確認の上での行動をお勧めします。
posted by 労働基準法 at 14:19 | 退職と休職

整理解雇の要件と手続き


整理解雇とは、企業業績の悪化や経済変革への対応により、不採算事業や部署の縮小や組織再構築などに伴う人員削減をいい、一般的には「リストラ」と称しています。
「リストラ」は英語のリストラクチャリング(Restructuring)の略で、本来の意味は再(Re)構築(structuring)というもので、単純な組織の再構築を指しており、労働者の解雇を指し示すものではありませんでした。
しかし現実には多くの企業が維持存続をかけ、事業の見直しや業績の回復など、将来への対応を迫られてきました。
企業は、生き残りの選択肢として人員整理を行なって来たことから、本来の意味からかけ離れた解釈で使用されてきました。
では整理解雇にはどのような条件が必要となるのでしょうか。
整理解雇を行うには、次の4つの要件が求められます。
  1. 人員整理の必要性について

余剰人員の整理解雇を行うといっても、労働者の解雇を行う訳ですので、経営上の相当な理由が必要です。一般的には企業の維持存続のための経営が危うい場合や、そのような状態に至らないまでも、企業が客観的に高度の経営危機下にある場合など、現状の経営状態は良好でも、体質強化をしなければ将来の経営の安定化に備える場合など、相当な必要性に迫られていると判断される場合にのみ、人員整理の検討が可能になります。また、そのような状態に至らないまでも将来時に予想される経営の備えについての人員整理は、その時点での必要性と緊急性が低いと思われ、整理解雇をすることはできません。人員整理は基本的に、労働者に特段の責められるべき理由がないのに、使用者の都合により一方的におこなわれるため、慎重に判断すべきものです。企業の運営上やむを得ないよほどの合理的理由が求められます。

  • 解雇回避努力義務の履行について

  • 期間の定めのない雇用契約においては、解雇は最後の選択手段であることを要求されます。役員報酬の削減、新規採用の抑制、希望退職者の募集、配置転換、出向等によって、整理解雇を回避するための経営努力おこなわれ、真に整理解雇に着手することがやむを得ないと判断できる必要があります。

  • 被解雇者を選定する合理性について

  • 整理解雇を行うにしても、具体的人選も合理的かつ公平でなければならなりません。基準なしに、特定の労働者を選択した解雇もできませんし、女性、高齢者や特定思想の持ち主などの解雇もできません。しかし、勤務状態など日常の労働評価について見当されても止むを得ない面も否定できません。

  • 手続の妥当性について

  • 整理解雇に当たって、手続の妥当性が非常に重視されています。労使の合意事項があるにも関わらず、労働組合への説明・協議、納得を得ないままの解雇は、他の要件を満たす場合であっても無効とされるケースも多いようです。

    企業業績の悪化や経済変革という理由があったとしても、しれは労働者の責任ではなく経営責任の問題であり、経営者の都合で人員整理という解雇はできるものではありません。
    もし整理解雇をおこなうにしても、使用者は人員整理の手続きをおこなうにあたっても、労働者に対して誠意を持った説明と協議をおこなう義務があります。
    posted by 労働基準法 at 09:37 | 解雇の知識

    労働基準法第41条(労働時間等に関する規定の適用除外)


    労働基準法第41条では、労働基準法第4章での労働者への「労働時間、休憩、休日及び年次有給休暇」の定め及び第6章の年少者、第6章の2の妊産婦についての「労働時間、休憩、休日及び年次有給休暇」の規定を、以下のいずれかに該当する労働者については適用しないとしています。
    1. 土地の耕作若しくは開墾又は植物の栽植、栽培、採取若しくは伐採の事業その他農林の事業(林業は除く)

    2. 動物の飼育又は水産動植物の採捕若しくは養殖の事業その他の畜産、養蚕又は水産の事業

    3. 事業の種類にかかわらず監督若しくは管理の地位にある者又は機密の事務を取り扱う者

    4. 監視又は断続的労働に従事する者で、使用者が行政官庁の許可を受けたもの

    これらに従事する労働者に対しては、時間外労働、休日労働の割増賃金の支払いを適用していませんが、深夜労働や有給休暇は対象となります。
    また、年少者と妊産婦の深夜労働については当然制限の適用があります。

    労働基準法第41条が対象となる者についての判断は、大変繊細な部分もありますので、シロウト判断での解釈は、後々トラブルの元となる可能性があります。
    特に管理・監督者の判断は、単にその者の役職などの肩書きだけでなく、労働の実態から判断することが必要です。一般的には管理職とは名ばかりで、実際は一般労働者と同様の作業をし、経営と一体的な立場とはいえないケースもあります。
    まずは専門家や行政官庁(労働基準監督署)などに相談することが良いでしょう。
    posted by 労働基準法 at 13:14 | 労働基準法での労働時間

    就業規則が必要とする記載事項


    労働基準法では、就業規則については記載事項の定めと、その作成及び届出を義務付けており、「絶対的必要記載事項」と「相対的必要記載事項」の二つは必ず記載しなければなりません。
    絶対的必要記載事項

    • 始業及び終業の時刻、休憩時間、休日、休暇並びに労働者を2組以上に分けて交替に就業させる場合においては、就業時転換に関する事項

    • 賃金(臨時の賃金等を除く。以下この項において同じ。)の決定、計算及び支払の方法、賃金の締切及び支払の時期並びに昇給に関する事項

    • 退職に関する事項(解雇の事由を含む)

    相対的記載事項

    • 退職手当の定めをする場合においては、適用される労働者の範囲、退職手当の決定、計算及び支払の方法並びに退職手当の支払の時期に関する事項

    • 臨時の賃金等(退職手当を除く)及び最低賃金額の定めをする場合においては、これに関する事項

    • 労働者に食費、作業用品その他の負担をさせる定めをする場合においては、これに関する事項

    • 安全及び衛生に関する定めをする場合においては、これに関する事項

    • 職業訓練に関する定めをする場合においては、これに関する事項

    • 災害補償及び業務外の傷病扶助に関する定めをする場合においては、これに関する事項

    • 表彰及び制裁の定めをする場合においては、その種類及び程度に関する事項

    • 以上のほか、当該事業場の労働者のすべてに適用される定めをする場合においては、これに関する事項


    どこかで見た気がする人もいると思います。
    これらは労働基準法の労働契約で、明示すべき労働条件とほとんどの部分で重なり合っているのです。
    絶対的必要記載事項」は必ず記載が義務付けられており、「相対的記載事項」は各項目について定めてある場合に記載しなければならないことになっています。

    また、就業規則にはこれらの二つの記載事項のほかに、就業規則の趣旨や服務規律、配置転換、出向、社員の心得など、任意の事項について記載することもできます。
    posted by 労働基準法 at 09:13 | 労働基準法で定められた就業規則

    労働契約での労働条件の明示


    労働基準法第15条では「使用者は、労働契約の締結に際し、労働者に対して賃金、労働時間その他の労働条件を明示しなければならない。この場合において、賃金及び労働時間に関する事項その他の厚生労働省令で定める事項については、厚生労働省令で定める方法により明示しなければならない」としています。
    この明示とは、口頭か書面のどちらかということになりますが、「賃金決定、計算、支払い方法、締め切り、支払い時期」は書面での交付をしなければなりません。
    では明示する労働条件とは具体的には以下の内容となります。
    書面で明示しなければならない労働条件

    • 労働契約の期間に関する事項(期間の定めのある労働契約の場合はその期間、期間の定めがない労働契約の場合はその旨)

    • 就業の場所及び従事すべき業務に関する事項

    • 始業及び終業の時刻、所定労働時間を超える労働の有無、休憩時間、休日、休暇並びに労働者を2組以上に分けて交替に就業させる場合においては就業時転換に関する事項

    • 賃金(退職手当及び臨時に支払われる賃金、賞与等の賃金を除く)の決定、計算及び支払の方法、賃金の締切り及び支払の時期並びに昇給に関する事項

    • 退職の事由及び手続き、解雇の事由及び手続き等、退職に関する事項(解雇の事由を含む)

    定めのある場合に明示しなければならない労働条件
    • 退職手当の定めが適用される労働者の範囲、退職手当の決定、計算及び支払の方法並びに退職手当の支払の時期に関する事項

    • 臨時に支払われる賃金(退職手当を除く)、賞与並びに最低賃金額に関する事項

    • 労働者に負担させるべき食費、作業用品その他に関する事項

    • 安全及び衛生に関する事項

    • 職業訓練に関する事項

    • 災害補償及び業務外の傷病扶助に関する事項

    • 表彰及び制裁に関する事項

    • 休職に関する事項

    労働条件には賃金労働時間などで、一定の事項については書面での交付を義務付けていますが、就業規則への明示がしてあればそれでよいことになっています。
    posted by 労働基準法 at 09:43 | 労働基準法で定められた労働契約

    労働基準法で示す労働協約とは


    労働契約は、労働者が使用者の指揮命令のもとに労務を提供し、使用者がその対価として賃金を支払うことを「労働契約」といい、労働基準法で契約の基準について定めています。

    この法律違反の契約
    労働基準法第13条 この法律で定める基準に達しない労働条件を定める労働契約は、その部分については無効とする。この場合において、無効となった部分は、この法律で定める基準による。

    以下、同23条まで以下の内容を定めてあります。
    労働基準法第14条   契約期間等
      〃  第15条   労働条件の明示
      〃  第16条   賠償予定の禁止
      〃  第17条   前借金相殺の禁止
      〃  第18条   強制貯金、解雇
      〃  第19条   解雇制限
      〃  第20、21条 解雇の予告
      〃  第22条   退職時等の証明
      〃  第23条   金品の変換

    労働契約というと契約書の取り交わしのようなイメージがありますが、契約そのものは書面での取り交わし以外にも、口頭での「雇う」「雇われる」との合意でも契約を結んだことになります。
    なんだか口頭での契約の場合、労働者側が一方的に不利な条件での契約になるような気もしますが、労働基準法では労働条件の明示や禁止事項の定めなど、労働者を保護する基準が定めてあります。

    また労働契約は、労働基準法以外にも労働組合法での労働協約や就業規則、その他いろいろな法令により制約を受けており、立場の弱い労働者側を保護する仕組みを持っています。

    (法令及び労働協約との関係)
    労働基準法第92条 就業規則は、法令又は当該事業場について適用される労働協約に反してはならない。

    (効力)
    労働基準法第93条 就業規則で定める基準に達しない労働条件を定める労働契約は、その部分については無効とする。この場合において無効となった部分は、就業規則で定める基準による。

    このように労働契約は単独での判断とはならず、法令労働協約就業規則>労働契約、といった法的な効力の順位を持つため、いくら労働者と使用者の合意した労働契約であろうと、前述の法令、協約、規則などに違反する労働契約は無効ということになります。
    posted by 労働基準法 at 09:23 | 労働基準法で定められた労働契約

    就業規則の義務と役割


    就業規則は会社における労働条件とや規律などを示した、いわば労働者と使用者を管理するための基準を示すルールブックです。
    労働基準法第89条では「常時10人以上の労働者を使用する場合は、就業規則を作成し行政官庁(労働基準監督署)に届け出なければならない」としています。
    ここでいう「常時10人以上の労働者」とは、正社員、嘱託社員、契約社員、パート、アルバイトなど雇用形態に関わらず、労働している全労働者の年間平均人員数が10人以上のことを言います。

    では10人未満の場合はと言うと、労働基準法では作成と届出の義務はありません。
    しかし、不要な労使間での対立や誤解を生じさせず、健全な企業運営を行うためには、円滑な労使関係は大切なことだと思いますので、例え10人未満の企業でも作成しておくほうが望ましいと言えます。

    一般的に就業規則は、会社の秩序を作り、会社を守ると言った受け止めがありますが、必ずしも会社側に立った内容だけではありません。
    経営サイドから見れば、「優秀な人材の確保」「長期間雇用の環境作り」「労働問題からの会社保護」と言ったように、比較的会社を守るための規則に思われますが、明示が義務付けられている内容を見ると、労働条件など労働者を保護する内容についての項目も多くあり、どちらかというと労使関係を良好に保つための規則という性格が強いと思われます。
    つまり労働者と使用者が、双方の立場を尊重するための規則と言えます。
    しかし存在する就業規則がすべて完璧かというと、必ずしも肯定は出来ません。
    むしろ、まだまだ多くの企業では一方的な就業規則や、その実態により不当な扱いを受けている労働者もいると思われます。

    労働条件をしっかりと定め、雇用時に就業規則を示すなど、従業員がいつでも確認できるようにしたほうが、労働者にとっても安心して働ける環境作りとなり、優秀な人材確保や業績向上は、安定した職場環境と健全な労使関係の上に成り立つと思われますので、会社のルールブックである就業規則については、労働者に対しても自信を持って示せるよう整備することも大切なことです。
    posted by 労働基準法 at 09:09 | 労働基準法で定められた就業規則

    養育する子供への看護休暇


    看護休暇は、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律(育児・介護休業法)」第16条の2〜16条の3により、「小学校就学前の子を養育する労働者が、病気・けがをした子の看護のために、休暇を取得することができる
    」とし、同条の4により看護休暇を申し出及び取得したことを理由とした、不利益取扱いの禁止を定めています。

    不利益な取扱いの典型例は以下のものがあります。
    1. 解雇すること

    2. 期間を定めて雇用される者について、契約の更新をしないこと

    3. あらかじめ契約の更新回数の上限が明示されている場合に、当該回数を引き下げること

    4. 退職又は正社員を非正規社員とするような労働契約内容の変更の強要を行うこと

    5. 自宅待機を命ずること

    6. 降格させること

    7. 減給をし、又は賞与等において不利益な算定を行うこと

    8. 不利益な配置の変更を行うこと

    9. 就業環境を害すること

    看護休暇は、労働者からの申し出により取得が可能となることから、申し出がない場合は会社側から休暇を与えることはありませんが、申し出があった場合は、業務上など会社都合による拒否は出来ません

    看護休暇は年次有給休暇とは別に、1年間に5日間を限定として取得することが出来、通常取得日数の範囲は会社の会計年度(4月1日〜翌年3月31日)を単位としているため、年度毎に5日間の取得が可能ということになります。
    介護の対象も、小学校就学前の子ということになり仮に就学前の子が複数でも、5日間の介護休暇は1労働者が1年間に取得可能な日数です。
    また、賃金保障についても、育児・介護休業と同様の扱いとなり、有給・無給については労使の話し合いにより決めることが出来ます。

    ただし労使協定により、看護休暇取得ができないとされた者からの申し出は拒否することが出来ます。
    対象外となる労働者は次の通りです。
    1. 雇用期間が6か月に満たない労働者

    2. 週の所定労働日数が2日以下の労働者

    posted by 労働基準法 at 09:35 | 有給休暇以外の休暇

    労働者の介護休暇


    介護休業は「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律(育児・介護休業法)」により、介護のため一定期間の休業をすることができます。
    介護休業制度は同法第11条〜16条で構成され、要約すると「労働者は申し出ることにより、要介護状態にある対象家族1人につき、常時介護を必要とする状態ごとに1回の介護休業をすることができ(一定の範囲の期間雇用者も対象となります)、期間は通算して(のべ)93日まで可能」と言う内容です。

    要介護状態とは「負傷、疾病又は身体上若しくは精神上の障害により、2週間以上の期間にわたり常時介護を必要とする状態」をいい、対象となる家族は配偶者、父母(配偶者の父母を含む)、子や労働者が同居しかつ扶養している祖父母、兄弟姉妹及び孫となります。

    介護休業を申請する場合、原則的には休業開始の2週間前までに、会社に対して書面で申請します。しかし、実際には緊急的に介護を必要とする事態もあり、2週間前までに申請できないこともあります。このような時には、すぐに諦めることなく使用者とよく話し合うことをお勧めします。
    法律は2週間前という原則を絶対とするものではなく、会社が必要と認めれば2週間より短い期間であっても差し支えはありません。

    休業期間の賃金の保障については、育児休業同様に会社の判断に基づきますので、支給についてはそれぞれの会社により異なりますが、介護休業を取得する労働者に対しては、雇用保険から介護休業給付が休業開始時の賃金の40%が支給されることとなります。

    介護休業を取得できる対象労働者は下に示した通りです。
    • 日々雇用者を除く労働者

    • 同一事業主に1年以上継続して雇用された期間がある

    • 休業開始日より93日を超えて継続雇用が見込まれる

    労使協定で対象外となる労働者は下に示した通りです。
    • 雇用された期間が1年未満の労働者

    • 93日以内に雇用関係が終了する労働者

    • 週の所定労働日数が2日以下の労働者

    回数と期間については以下の通りです。
    • 対象家族1人につき、要介護状態に至るごとに1回

    • 対象家族1人につき通算93日まで(勤務時間の短縮等の措置が講じられている場合はそれとあわせて93日)

    posted by 労働基準法 at 09:26 | 有給休暇以外の休暇

    育児休暇と不利益禁止事項


    本来、育児休業については、必ず就業規則に記載しなければなりませんが、実際にはいまだに未記載という企業もあり、このことを理由に、特に男性の育児休業拒むケースもあるようです。
    労働者からの育児休業請求があった場合は、たとえ就業規則に記載がなくても、経営困難事業繁忙人手不足等の理由があっても拒むことはできません。これは企業の判断に委ねられているのではなく、法律により定められている労働者の権利だからです。

    しかし労働者側から見ても、「不利益取扱いの禁止」条項はあるものの、育児休業が終わり職場への復帰した際の扱いなど、現実の問題として不安を抱えているのも事実であり、育児休業の申請を躊躇させる要素があることも否定できません。

    また企業サイドから見ても、中小企業など企業体力が乏しい場合など、労働者の休業期間の代替労働力の確保など、多くの問題があると思われます。

    育児休業の申請に伴う、解雇その他不利益な取扱いの典型例として、次に掲げる取扱いがあげられます。
    1. 解雇すること

    2. 期間を定めて雇用される者について、契約の更新をしないこと

    3. あらかじめ契約の更新回数の上限が明示されている場合に、当該回数を引き下げること

    4. 退職又は正社員を非正規社員とするような労働契約内容の変更の強要を行うこと

    5. 自宅待機を命ずること

    6. 降格させること

    7. 減給をし、又は賞与等において不利益な算定を行うこと

    8. 不利益な配置の変更を行うこと

    9. 就業環境を害すること

    以上の例によるように、まだまだ多くの理解を得る必要がありますが、今後ともこの制度の発展と定着には、企業と労働者のみならず、国など公的機関の支援が欠かせないのも事実です。
    posted by 労働基準法 at 15:06 | 有給休暇以外の休暇

    育児休業期間中の保障


    育児休業期間中の賃金保障各種給付金は次のようになっています。

    育児休業期間の賃金について、「労働基準法」や「育児・介護休業法」では支払いについて定められておらず、労使間の話し合いによる取り決めに委ねられており、企業で一定の保障を行うものもあるようです。

    育児休業基本給付金は原則として、休業開始時点の賃金の30%の金額保証です。休業期間が20日以上あることを条件に、1か月毎の支給単位期間において支給されます。

    育児休業者職場復帰給付金は、元の職場に復帰して6か月以上働いた場合に、休業開始時点での賃金の10%が、育児休業基本給付金の支給対象の月数分支給されます。

    なおこれらの給付金の給付対象期間は、産前産後休業期間を除いたものとなりため、実質的には出産日の翌日から起算して56日間の休業期間経過後からが、育児休業開始日となり給付対象となります。

    休業期間についても、以下の場合は子が1歳6か月に達するまで延長できます。
    1. 保育所に入所を希望しているが、入所できない場合

    2. 子の養育を行っている配偶者であって、1歳以降子を養育する予定であったものが、死亡、負傷、疾病等の事情により子を養育することが困難になった場合

    また、育児休業中の労働者が継続して休業するほか、子供が1歳を境に配偶者と交代して育児休業することも出来ます。
    posted by 労働基準法 at 14:58 | 有給休暇以外の休暇

    子育てのための育児休暇


    労働基準法では育児休暇については具体的に定められていませんが、「育児・介護休業法(育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律)」により子を養育する労働者に対し、職業生活と家庭生活を両立できるよう支援するとともに、経済や社会発展のための次世代育成を推進しています。
    これにより「育児・介護休業法」では、労働者に対して育児のために一定期間仕事を休む権利を保障しています。

    育児休業対象期間は、子供が生まれた日からその子供が満一歳に達する日(誕生日の前日)までとし、1人の子供について1回の育児休業をとることが出来ますが、満一歳までの間で分割して取ることは出来ません。
    また育児休業は、満一歳の子供の養育のための休業をいいますので、それが実子であろうが養子であろうが、戸籍上の親子関係があれば構わないことになっています。

    育児休業を請求できる対象者は、男女を問わず労働者であれば対象となります。
    具体的な対象労働者は下に示した労働者です。
    • 日々雇用を除く労働者

    • 同一事業主に1年以上継続した雇用された期間がある

    • 子供が満一歳に達する日を超えて継続雇用が見込まれる

    反対に労使協定での対象外と扱えるものは以下の通りです。
    • 雇用された期間が1年未満の労働者

    • 配偶者が子を養育できる状態である労働者

    • 1年(1歳6か月までの育児休業の場合は、6か月)以内に雇用関係が終了する労働者

    • 週の所定労働日数が2日以下の労働者

    • 配偶者でない親が、子を養育できる状態にある労働者


    このように日々雇用労働者や、期間を定めた労働者は育児休業の適用は認められませんが、パートなどで1日の労働時間が短くても、期間を定めない労働者は対象となり、育児休業を申請することが出来ます。
    posted by 労働基準法 at 14:52 | 有給休暇以外の休暇

    女性保護のための生理休暇


    労働基準法第68条は、女性の保護を目的として「使用者は、生理日の就業が著しく困難な女性が休暇を請求したときは、その者を生理日に就業させてはならない」と定め、生理日の就業が著しく困難な女性に対する措置が取られています。

    この生理休暇取得について、「就業が著しく困難」との条件は女性により個人差があることから、判断は本人に委ねられており、診断書などの特別な証明は必要ありませんが、通常申請は1日単位で行うようですが、必ずしも1日単位限定というわけではなく、場合によっては、半日や時間単位での申請も可能です。

    しかし企業によっては女性の生理休暇に対する反応は様々で、必ずしも申請イコール受け入れとはなり難く、女性の多い職場では申請し易く、反対の職場では申請し辛いなどの問題があることも現実であり、多くの場合生理休暇の目的に対する無理解や、職場の環境への無配慮などが考えられます。
    また、生理休暇の取得条件をあまり厳密にすると、本来の目的である「女性の保護」という趣旨が疎かとなり、単に労働者の服務管理だけで労働基準法での定め自体も遵守できなくなります。
    実際の問題として、上司が男性での職場の場合、女性の心理として生理休暇の申請がし辛いこともあると思われますので、より一層女性労働者に対する配慮は必要かと思われます。

    労働基準法では、生理休暇についての賃金保障は、産前産後休暇と同様に具体的に定めたものはありません。
    保障の有無は使用者側への義務はなく、取扱いは使用者の自由裁量に委ねられていますので、就業規則等での規定がない場合は、労働組合や社員代表との話し合いにより、保障内容を明確にすることも大切です。

    posted by 労働基準法 at 09:50 | 有給休暇以外の休暇

    産休と賃金、手当て


    最近では女性の働く機会もだんだんと増えており、今後もより一層の社会進出が増えていくと思われます。
    そんな中で、やはり女性は男性と異なる面もあり、法的にも一定の措置がはかられています。
    その一つとして、労働基準法では出産に関して以下の通り定めています。
    労働基準法第65条は産前産後について「使用者は、6週間(※多胎妊娠の場合にあつては、14週間)以内に出産する予定の女性が休業を請求した場合においては、その者を就業させてはならない」

    ※多胎妊娠とは双生児以上の妊娠のこと。

    同65条2項「使用者は、産後8週間を経過しない女性を就業させてはならない。ただし、産後6週間を経過した女性が請求した場合において、その者について医師が支障がないと認めた業務に就かせることは、差し支えない」

    同条3項「使用者は、妊娠中の女性が請求した場合においては、他の軽易な業務に転換させなければならない」

    このように産前産後の女性に対し、母体保護の見地から使用者の休暇付与を義務付けています。
    ただし産前休暇に関しては、女性本人からの請求に基づくため、請求のない場合は就業をしても差し支えありません。

    産後については請求の有無に関係なく、65条2項での期間通り就業させることは出来ません。
    このように産前と産後の休暇の取り扱いは、その性質上同じには考えられていませんので、就業規則などで産前産後休暇期間をあわせた期間設定は出来ません。(例えばトータルで14週間の休暇のような設定は不可)

    また同66条では、妊産婦が請求した場合は40時間/週、8時間/日を超えることや、時間外労働や休日勤務、深夜労働などを禁じています。

    国民健康保険では妊娠4か月以上であれば、流産、早産、死産、人口中絶も含め出産としており、他の健康保険も国民健康保険法に基づき、出産についても同様の取り扱いとしています。
    労働基準法第65条での出産は、これらを前提に妊娠4か月以上の出産を対象としていますので、産前産後の休暇についても同様の扱いとなります。

    しかし労働基準法では、産前産後休暇期間の賃金については特に定められておらず、各企業の取り扱いにより異なり、全額支給や有給扱いとする企業もあるようです。
    また企業による賃金保証等がない場合でも、産前産後休暇取得期間については健康保険加入者に対して、標準報酬月額の60%が出産手当金として支給されます。
    あわせて出産一時金についても、健康保険の被保険者や被保険者の被扶養者であれば、医療保険に加入している場合は受取ることが出来ます。
    posted by 労働基準法 at 09:44 | 有給休暇以外の休暇

    賃金支払いのルール


    労働基準法では、賃金の支払いについても定めたものがあります。
    特に、今世間を騒がしているコムスンについても、虚偽申請での事業所指定の不正取得だけではなく、労働基準法違反の疑いも持たれています。

    報道によりますと、過去長期間にわたり労働者の賃金から不明朗な天引きがされており、金額的には一人当たり一月200円と僅かな金額に聞こえますが、年間約15億円程度の金額に上るそうです。
    労働者個人で見ても長期に渡る天引き(控除)により、かなりの金額と考えられます。

    最初に労働者への説明では「個人データの保護・整備の費用」「業務上のケガや破損行為での緊急時の賠償金」「親睦会費」などと、様々な理由を付けて引き落としをしていたとのことです。
    また、グッドウィル会長が記者会見で「もしそのような事実があり、納得が得られないのであれば返金する」との説明でしたが、実際の現場では「会長の発言は議決の承認もないので無効」などといって、返金に応じる姿勢はないようです。

    本来、情報の保護や整備は企業の責任として当然のことですし、ましてや業務上のケガや賠償などは個人負担の問題ではなく、企業が労働者や被害者などに対して保障するのは当然のことであり「義務」ではないでしょうか。

    労働基準法第24条は「賃金は通貨で直接労働者へ支払わねばならない」とし、仮に天引き(控除)等を行う場合は「労働組合もしくは社員の代表との書面協定を締結した場合」としており、今回のケースは本当に会社側の説明が前述のような内容であれば、明らかに労働基準法に違反するどころか、場合によっては詐欺的な行為とみなされる可能性もあります。

    賃金の支払い方法についても、企業の独断で行うことは出来ません。
    1.通貨での支払い

    支払い通貨は日本円とし、現物支給は認められていません。ただし労働者個々の同意に基づく口座への振込みや、労働協約に定める場合は一部現物支給が認められるものもあります。

    2.直接労働者へ全額支払う

    賃金の受取は本人とし、代理人は認められません。ただし本人が傷病当の事情による場合などは「使者(妻・子等)」に渡すことや、派遣会社経由での支払い、法的措置による手続きなど例外もあります。

    3.月1回以上の一定期日での支払い

    支払いは毎月1回以上と定められており、週払いや日払いなどがあり、月給の場合は毎月○日、週休の場合は○曜日といった具合に、特定の日を定める必要があります。

    また最近の年俸制についても、年間1括での支払いではなく、分割して月1回以上の支払いとしています。
    これらが支払いルールとして定めてあり労働協約や就業規則により、支払い方法が各企業毎に定めてあるとおもいます。

    先に述べたとおり、賃金の控除についても企業の独断では出来ないようになっていますので、自分の賃金明細を見て疑問な点は確認することをお勧めします。
    決して他人事ではありませんよ。

    posted by 労働基準法 at 17:44 | 労働基準法

    労働者と使用者


    労働者は労働基準法をはじめとした、いわゆる労働法の下に保護をされています。
    労働時間や解雇の制限、賃金及び時間外手当の受け取りなど、雇用に関する多くの権利を有し保護を受けています。
    これはいわゆる労働法上での労働者に対するものであり、働く人全体を指しているわけではありません。

    では労働基準法では、労働者以外にどのような人を指しているのかというと、使用者のことを言います。
    使用者とは労働基準法では、単に「経営者」を言っているのではなく、労働者の持つ権利への影響力ある立場の人のことをいい、労働者と同様に事業主に雇われている者であっても、労働者を監督、指揮する立場にある者を指しています。

    労働基準法第10条では「この法律で使用者とは、事業主又は始業の経営担当者その他その事業の労働者に関する事項について、事業主のために行為をするすべての者をいう」と定義されています。
    労働者は正社員だけではなく、パートやアルバイト、契約社員など、広く使用者の監督、指揮の管理下におかれ労働提供を行い報酬を受取っている人を言います。

    使用者は事業主や経営者をはじめとして、事業主のために労働者を管理する一定の役職者以上を指しますが、この役職者の範囲は企業により様々で、一般的には一部係長(主査)以上ですが、企業によっては一部ではありますが、主任など役職の肩書きが付いた時点で管理者とするところもあるようです。

    総体的には役職だけにとどまらず、実際にどのような権限を有しているのかを考慮し判断することが必要です。
    いずれにしても、使用者は労働者を管理することと同時に、保護を行う義務も併せ持っています。

    posted by 労働基準法 at 10:00 | 労働基準法

    解雇の適用範囲


    解雇については厳しく規制されている反面、正当な理由のある場合は解雇を行うことが出来ます。
    しかし理由の正当性についても、実際にはその理由を示さず、一方的な解雇があるのも現実です。
    では、解雇の正当理由とはどういったものを言うのでしょうか。
    懲戒解雇に該当するものは会社や社会の秩序に、著しく違反を行った場合で懲戒処分を受けるものです。
    また整理解雇は、企業の経営不振や効率化に伴う人員整理などを言います。
    懲戒解雇や整理解雇については、納得し難い部分はあるものの、理由は比較的明確です。

    普通解雇については、使用者側の主観的な要素も入り、判断が微妙なものも多くありますが、概ね以下の点が主な理由として挙げられます。
    1. 傷病休職期間が満了しても健康面から労働復帰できない場合

    2. 長期欠勤・勤務不良や勤務成績など著しく労働能力面に民代のある場合

    3. 会社秩序を著しく乱す場合

    しかし、これらの事実が発生したからといって、一方的な解雇理由とはなりません。
    • 本当に解雇の必要性があるか

    • 解雇回避のための努力を尽くしたか

    • 人選は客観的か

    • 説明・協議、納得を得るための十分な手順は行ったか

    といったように、客観的かつ合理的な理由に相当するのかどうかの判断により、解雇の有効性について確認しなければなりません。

    また、解雇が認められるケースとして、以下のものがあります。
    1. 30日前までの解雇予告

    2. 社員側の責任による懲戒解雇

    3. やむをえない事情による解雇

    などがありますが、これらの適用範囲としては、「労働者の労務提供の不能」「職場規律や懲罰による違反」「合理化のための人員整理」などがあり、これ以外の解雇は認められません。
    使用者側の解雇についても、いろいろな形での制約があり、労働者の不利益となるような一方的な解雇は、民法をはじめ労働基準法や関連法により守られています。

    しかし一部の企業では、守るべき法やルールがありながら、現実的には犯されているものも少なくありません。
    また、「合理化による人員整理」は企業にとっても、労働者にとっても招かれざる事態であり、一概に労働者の権利の主張だけでは解決しないのも事実です。

    posted by 労働基準法 at 16:43 | 解雇の知識

    解雇の規制と種類


    解雇とは、使用者から労働者が労働契約の解除をされることであり、労働基準法第18章の2では、「客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする」と定められています。

    解雇そのものを規制する法律はありませんが、労働者を解雇から守るものとして、労働基準法労働組合法男女雇用機会均等法育児・介護休業法などがあり、これらの中に解雇を規制する条項が定められています。
    • 国籍、信条、社会的身分を理由とする解雇(労働基準法第3条)

    • 業務上の傷病による休業期間及びその後30日間の解雇(労働基準法第19条)

    • 産前産後の休業期間及びその後30日間の解雇(労働基準法第19条)

    • 解雇予告または解雇予告手当の支払いを行わないなど解雇の手続きに問題がある解雇(労働基準法第20条)

    • 労働者が労働基準監督署へ申告したことを理由とする解雇(労働基準法第104条)

    • 労働者が労働組合に加入していることを理由とするなど不当労働行為となる解雇(労働組合法第7条)

    • 女性であること、あるいは女性が婚姻、妊娠、出産したこと、産前産後の休業をしたことを理由とする解雇(男女雇用機会均等法第11条)

    • 育児・介護休業の申し出をしたこと、または育児・介護休業を取得したことを理由とする解雇(育児・介護休業法第10条)

    • 権利の濫用に該当する解雇(民法第1条第3項)

    • 公序良俗に反する解雇(民法第90条)

    解雇により労働者の不利益を守るため、使用者による一方的な解雇を制限しており、会社側に客観的・合理的で正当な理由がない限り、解雇権の濫用となります。

    解雇には次のようなものがあります。
    懲戒解雇

    会社への横領や不正、重大な過失及び長期にわたる無断欠勤や、最近では酒気帯び運転によるものもあります。

    諭旨解雇

    不祥事など懲戒解雇に相当した懲罰的な意味合いを持ちますが、違いについては曖昧です。会社によっては懲戒解雇と分けることにより退職金等、事後の労働者への配慮がされていますが定められた定義はありません。

    普通解雇

    長期的な療養が続き回復の見込みがないものや、採用要件に見合う能力が著しく不足し、かつ向上の見込みがない場合などがありますか、使用者側の主観での判断が少なくなく、不当解雇となるケースもあります。

    整理解雇

    法律用語ではなく判例により使われた用語で、人員整理として使われます。

    不当解雇

    使用者により労働協約や就業規則が守られず、正当な理由が無い場合です。


    posted by 労働基準法 at 11:00 | 解雇の知識

    休職と休職期間、賃金について


    労働基準法には休職は定められていません。
    休職とは雇用契約はそのままとして、長期間にわたって労働を行うことが困難な場合、使用者側によりその間の労働義務を免除することを言います。
    通常、休職は労働協約就業規則により定められるもので、企業により休職を認める内容も様々です。

    概ね以下のような休職の種類があります。
    1. 業務外での事故での怪我や病気などの私傷病休職あるいは事故休職

    2. 労働者が刑事事件により起訴された場合の起訴休職

    3. 労働者の会社不正行為による懲戒休職

    4. 他社出向にともなう自社を休職する出向休職

    5. 海外留学、議員活動などの自己都合休職

    6. 労働組合専従のための専従休職

    7. 子供を育てるための育児休職

    8. ボランティア活動を目的とするボランティア休職

    9. 親族の病気や怪我などの介護をするための介護休職

    このように、ざっと記述しただけでも多くの休職があり、各々の企業の定めにより、その許容範囲は様々なものがあります。

    これらはすべて労働者側の都合により休職しますので、基本的には賃金の扱いは無給ですが、労働協約や就業規則に自己都合の場合でも、一定の保障を規定している企業もあるようです。
    また会社都合によるものは休職ではなく、休業と呼ばれ区別され、労働基準法第26条により平均賃金の60%以上は保証されます。

    しかし私傷病休職の場合は、無給といっても休業4日目より健康保険より、標準報酬月額の60%私傷病手当金が支払われますので、まったくの無収入ではありません。
    また、会社による一定額の保障の場合も、支払った額が標準報酬月額の60%を下回る場合、その差額が健康保険より支給されます。

    休職期間は勤続年数等で異なることもあり、私傷病休職は数ヶ月から数年、事故休職は3ヶ月〜6ヶ月、起訴休職、出向休職等は事由消滅までとすることが多いようです。
    これらは、休職事由が解消されれば休職期間中であっても復職できるのが一般的ですが、更に休職が続くようであれば休職期間の延長、退職、解雇などとなる場合もあります。

    ここで気を付けておかないといけない点は、休職期間中でも労働契約は継続されており、就業規則なども適用されているため、無給といっても支払い義務のあるものもあります。例えば、健康保険などの社会保険料や市町村民税などの公課負担分、借入返済金など給与天引きによる毎月の支払いは免除とはなりませんので、一般的には会社経由での支払いが発生しますので、会社へ費用の負担金額を支払う必要が出てきます。

    posted by 労働基準法 at 19:48 | 退職と休職
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