男女雇用機会均等法があっても女性の労働条件は厳しい実態がある


男女雇用機会均等法第9条では「事業主は、女性労働者が婚姻し、妊娠し、又は出産したことを退職理由として予定する定めをしてはならない」とし、この間の休業についても同様に不利益な取扱いを禁止しています。
しかし経営者側から見た場合、女性の結婚により妊娠、出産、育児による影響としての労働力低下という見方が依然根強く、そのため女性の結婚を契機に退職という慣行がいまだに存在している企業もあるようです。
また職場の中でも周りの労働者に、不足労働力分のしわ寄せがいくなどの雰囲気を作り上げています。
いわゆる「寿退社」と、あたかもめでたく本人希望により退職をしていくように聞こえますが、多くの女性は本心から退職を望むのではなく、職場の環境的にやむを得ずと退職しているのではないかと思われます。

これらの退職理由としては「以前からの慣行として結婚は退職と決まっている」「職場結婚なので女性が退職しないと夫の昇進に影響する」「職場の中の雰囲気で主婦労働者は嫌がられる」など、様々な実態があるようです。
経営者の本音は、会社として不利益な取扱いはできないが、本人希望による退職は問題ないと判断する向きもあり、中には該当の女性労働者を説得行為により退職に同意させる、といった荒業までおこなう企業もあるようです。

このように未だに男女雇用機会均等法の趣旨を理解しないばかりか、旧態依然として男性縦割りの企業体質を抱えているものもあるようです。
これではせっかく有能な人材があっても、充分に活用し企業を発展させていくのは難しいのではないでしょうか。
本当に困ったものです。

posted by 労働基準法 at 09:26 | 労働基準法の雑談

男女雇用機会均等法の目的と構成

労働基準法第3条では「使用者は、労働者の国籍、信条又は社会的身分を理由として、賃金、労働時間その他の労働条件について、差別的取扱をしてはならない」として労働条件の差別を禁止していますが、男女の性別について配慮された規定ではなく、労働者全般に対して規定されていたものです。
しかし女性が、それまで男性を中心とした仕事にも進出するようになり、社会的・経済的にも自立を求め目指す女性の生き方に対し、社会的にも受け入れようとする風潮が広がり、「男女雇用機会均等法」もこのような必然的な流れの中で、充分とは言えないまでも昭和47年に制定されました。

「男女雇用機会均等法」の正式名称は「雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律」といい、法の下の平等を保障する日本国憲法の理念の基に、女性が性別で差別されることなく、充分な能力を発揮できるよう均等な雇用機会及び待遇の確保を図り、女性労働者が就業することにより、妊娠中や出産後の健康確保などの措置を推進する目的で定められています。

この法律では事業主に対して、性別を理由とする差別的取扱いをさせないよう、第6条により以下のように禁止事項を規定しています。
  1. 労働者の配置(業務の配分及び権限の付与を含む)、昇進、降格及び教育訓練

  2. 住宅資金の貸付けその他これに準ずる福利厚生の措置であって厚生労働省令で定めるもの

  3. 労働者の職種及び雇用形態の変更

  4. 退職の勧奨、定年及び解雇並びに労働契約の更新

またこの法律に違反した場合には、監督官庁より直ちに是正が求められ、紛争解決のための援助や厚生労働大臣の是正勧告に従わない場合、会社名公表の制裁がおこなわれるとともに、紛争調整委員会への調停を申請すねことも可能となります。

その他、この法律の主な構成は以下の通りとなっています。
第一章 総則(第一条―第四条)
第二章 雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等
 第一節 性別を理由とする差別の禁止等(第五条―第十条)
 第二節 事業主の講ずべき措置(第十一条―第十三条)
 第三節 第三節 事業主に対する国の援助(第十四条)
第三章 紛争の解決
 第一節 紛争の解決の援助(第十五条―第十七条)
 第二節 調停(第十八条―第二十七条)
第四章 雑則(第二十八条―第三十二条)
第五章 罰則(第三十三条)

なお、法律の詳細な内容などは厚生労働省のホームページをごらん下さい。
posted by 労働基準法 at 20:27 | 労働基準法に関連する法律

労働条件は上がったほうがいい?下がったほうがいい?

労働者は労働基準法により一定の地位の保証はされていますが、決して労働基準法ですべてが解決するわけではありません。
労働基準法が定められているといっても、所詮は一労働者の立場と使用者では力関係の違いは明らかです。

テレビでの討論会で正社員と非正社員の賃金格差について、正社員、非正社員、経営者の3者による討論がされていましたが、出席者の半数近くは「正社員の賃金水準を下げることにより非正社員との格差を是正する」との意見でした。
その主な理由として「労働の内容が同等なら正社員の賃金を下げて非正社員の賃金の底上げをおこなう」「正社員は待遇面で非正社員より厚遇されているので多少は切り下げてもいいのでは」「全体的に雇用環境が悪いので正社員の条件を切り下げて雇用拡大をおこなう」などの意見が展開され、「下位標準」での主張がされていました。

本来労働者が得るべき賃金や労働時間の長さなど、同じ原資の中から労働者間で分け合うのは、一見分かち合い的な視点であるかのように思えますが、冷静になって考えると互いに環境を引き下げあっているようにも思えます。
つまり低賃金は労働の全体数は増えるかもしれませんが、労働の質や生活そのものを維持することが難しくなっていくのではないでしょうか。

現在の景気動向は僅かですが右肩上がりのデフレ傾向と言われていますが、全体的に低賃金化傾向などにより生活が厳しくなっているのも現実です。
反面では企業の経常利益は増加傾向にあり、役員報酬や株主配当は大幅に伸びているようです。
こうして考えると経済動向の変動はあるものの、本来は「上位標準」つまり労働条件は上に合わせるべきではないかと思います。
一方では中小企業など、労働者の賃金が経営を圧迫しているのも事実ですが、政治による積極的な雇用政策と、現在の大企業中心の政策から、中小企業の育成政策をもっとしっかりとおこなうことも大切ではないでしょうか。
posted by 労働基準法 at 18:53 | 労働基準法の雑談

労働組合の必要性


若年層を中心に「労働組合」と聞くと、何となく遠ざけてしまう雰囲気がありますが、労働組合は労働者が主体となり自主的に組織する団体であり、労働条件などについて使用者との交渉や、職場の中での違法な労働行為の監視など重要な役割を果たしており、現在の活動の範囲は日常の職場環境から、国際的支援・交流活動まで労働組合の規模により、様々な取り組みがおこなわれているようですが、主な活動は以下の3つの柱があると言われています。
  1. 経済活動(賃金交渉や各種諸手当などの改善)

  2. 相互扶助(慶弔金や支援金、共済制度などの助け合い)

  3. 政治活動(労働組合だけでは解決しない政治的課題の改善)

しかし一部労使の間で結ばれた協定内容が、今日の社会情勢に即さない面があるにも関わらず、旧態依然とした形のまま存在している実態もあります。
またこれら一部の実態を捉えて、あたかも労働組合の活動が経済活動や国民生活に害を及ぼすかの発言が、一部の財界人や政治の中にもあるようで、

雇用状況全体では、パートや契約社員といった非正社員が増加している反面、正社員雇用が減少している傾向にあり、労働組合の加入率が年々低下している要因の一つとなっているようです。
平成18年における厚生労働省の調査結果によると雇用者数5,517万人に対して、労働組合数59,019、労働組合員数1,004万人となっており、推定組織率は18.2%と年々減少傾向にあるようです。

労働組合の存在は労働者の生活と権利を守るためにあり、民主的な組織運営をおこなうことが最も重要です。
しかし中には御用組合として、企業のために代弁する労働組合が存在し、労働者の権利は二の次となっているものもあり、労働者の組織離れを引き起こしている原因の一つです。
また中小企業の中には、同族経営やワンマン経営により労働組合の存在すらない企業も多くあるようです。
労働組合は労働者の自主的な運営が基本となりますので、経営側の利益代表者が加入したり、運営に関与することは労働組合とは認められていません。

最近では不況による整理解雇が他人事ではなく、より一層労働組合に求める期待も大きいものがあります。会社を閉鎖する段階で慌てて労働組合を結成し、経営側と交渉をおこなうケースもあるようですが、そうなる前に労働組合の立ち上げや加入といった方法を選択し、日常的に労働者の権利向上はもちろん、健全な企業経営への協力も労働者としておこない、健全な労使関係が双方にとって最善の方法ではないでしょうか。
posted by 労働基準法 at 18:04 | 労働基準法

健康診断の種類と健診項目


企業での健康診断には様々な種類がありますが、法令により実施の義務付けがされているのは主に一般健康診断特殊健康診断臨時の健康診断の3つに区分されます。
その中で比較的大半の労働者が受診する一般健康診断は、職場での健康被害への様々な因子の早期発見及び健康状態の把握を目的として、労働者への結果通知と必要な事後措置の実施や保険指導をおこないます。
その結果、必要に応じて医師等の意見に基づき、労働者の健康状態を考慮した労働環境や労働時間などへの措置が講じられます。
一般健康診断は次の種類があります。
  1. 新規雇用などの雇入れ時の健康診断

  2. 年1回定期的におこなう定期健康診断

  3. 半年毎に特定業務(深夜業など)従事者におこなう特定業務従事者の健康診断

  4. 6か月以上海外に派遣される労働者におこなう海外派遣労働者の健康診断

  5. 各種健康診断で結核が発病するおそれのある者におこなう結核健康診断

1.〜3.の健診項目は以下の通りです。
  • 既往歴及び業務歴の調査

  • 自覚症状及び他覚症状の有無の検査

  • 身長、体重、視力、聴力(千ヘルツ及び四千ヘルツの音に係る聴力検査)

  • 胸部エックス線検査、喀痰検査

  • 血圧の測定

  • 貧血検査(血色素量、赤血球数)

  • 肝機能検査(GOT、GPT、γ-GTP)

  • 血中脂質検査(血清総コレステロール、HDLコレステロール、血清トリグリセライド)

  • 血糖検査(血中グルコース量またはヘモグロビンA1Cのいずれか)

  • 尿検査(尿中の糖及び蛋白の有無の検査)

  • 心電図検査(安静時心電図検査)

4.の海外派遣労働者の健診項目は以下の通りです。
【派遣時】
  • 胸部画像検査

  • 血液長の尿酸の量の検査

  • B型肝炎ウィルス抗体検査

  • ABO式及びPh式の血液型検査

【帰国時】
  • 胸部画像検査

  • 血液長の尿酸の量の検査

  • B型肝炎ウィルス抗体検査

  • 糞便塗抹検査

5.の結核健康診断は以下通りです。
  • エックス線直接撮影による検査及喀痰検査

  • 聴診、打診その他必要な検査

posted by 労働基準法 at 10:00 | 労働者の健康

労働者の健康診断


企業での健康診断は、規模の大きい企業ほど検診の実施率は高いのですが、小規模企業になるほど実施率が下がる傾向にあるようです。
労働安全衛生法では、企業に対して「1年に1回定期健康診断の実施」を義務付けており、実施しない企業に対して処罰されることもあります。
この定期健康診断の費用についても、労働安全衛生法には負担者の明記はありませんが、実施義務は企業に課せられていることから、企業で負担すべきものとして通達がでていますが、小規模企業などの場合は、定期健康診断の費用が経営上の大きな負担となるケースもあるため、常時50人未満の労働者を使用する小規模事業場の事業者が産業医の要件を備えた医師を共同して選任し、当該医師から提供される産業保健サービスを受けて実施する産業保健活動により、労働者の健康管理等を促進することを奨励するために支給される「小規模事業場産業保健活動支援促進助成金」の活用をすることができます。

健康診断のメニューについても、最近では一般的な項目に加え、生活習慣病に関する項目やメンタルヘルス対策といったように、ただ診断を受けるだけにとどまらす、医師による面接指導なども導入され、心身の両面からの健康の確保と推進をはかるようになっています。

また健康診断受診時の賃金について、通達では一般的な健康確保を目的として企業に実施義務は課してありますが、一般的な健康確保は業務遂行との直接的関連性が薄いため、受診に要した時間については労使協議で定めるとしています。
しかし、あわせて労働者の健康確保は、事業の円滑な運営にとっても不可欠な条件であることを考えると、その受診に要した時間の賃金を事業者が支払うことが望ましいとされています。
つまり定期健康診断の実施は労働時間と解釈され有給扱いとするように通達されているということです。

労働者の中にはいろいろな理由をつけて、定期健康診断を受診しない者もいるようです。
このような労働者は、自分の健康状態に対して不安を持っているため、あえて状態が判明するのを極端に嫌っている傾向にあるようです。
定期健康診断は企業に対しても実施義務を課すことと同時に、労働者側にも健康な状態での労働の提供をおこなう必要から受診義務があります。
これは前述したように「健康な状態での労働は事業の円滑な運営にとっても不可欠な条件」でもあるためであり、労働者としても通常従事する労働に対して、充分に労働を提供できることを企業に示す必要があります。
いずれにしても企業と労働者双方にとって、心身ともに健康で元気に働くことは、労働者の健康管理は当然として、企業自体の信頼性にもつながっていきます。
posted by 労働基準法 at 09:39 | 労働者の健康

パート社員の解雇


パートタイム労働基準法労働契約」でも書きましたが、パート労働者とはいえ労働基準法や労働組合法が適用され、更にパートタイム労働法でも定められている通り、会社に対して労働条件と福利厚生など、労働者としての諸権利を主張することが出来ます。
契約期間についても期間を決めた有期雇用や、期限を定めない雇用など様々な形態があります。
有期雇用であっても契約の更新を繰り返す労働者は、実際の労働時間でも正社員とほぼ同じ時間を労働し、労働内容も同レベルのものをおこなっていることも珍しくありません。

しかし、実質的に正社員と同等の労働内容であっても、賃金やポストへの任用など待遇面では格差が大きいのも現実です。
最近では次世代の労働力の確保など、技術や労働力の継承を目的に、短時間労働者正社員化する企業も、若干ではありますが出てきている状況ですが、やはり人件費の抑制のため、パートや臨時社員、契約社員といった短時間労働者を活用するケースが大半を占めています。

パートタイム労働者は企業にとっても欠かせない存在である半面、待遇面では必ずしも十分とはいえないのが現状であり、特に人件費などの面からも長期雇用を拒むケースもあるようです。
しかし実際には正社員と同程度の労働をおこなっている場合や、契約更新を何度も繰り返し行っている場合などは、例え有期期間契約であっても、雇用期間の定めのない契約とみなされ、会社側として更新を拒絶する場合は、解雇に関する法規制が適用されます。

正当な理由もなく解雇することは出来ませんが、解雇できる場合は次の通りです。
  1. 30日前までに解雇予告をした場合

  2. 社員側の責任による懲戒解雇の場合

  3. やむを得ない事情があって解雇する場合

また解雇予告が不要なケースは次の通りです。
  1. 日々雇入れられる労働者

  2. 2か月以内の期間を定めて使用される労働者

  3. 季節的業務に4か月以内の期間を定めて使用される労働者

  4. 試用期間中の労働者

ただし日々雇用の場合は1か月を超えて引き続き雇用され、他の場合は定めた期間を超えて引き続き雇用をしている場合は、解雇予告を必要とします。

パートタイムだからといって不当な扱いにガマンをする必要は無く、大部分では正社員と同様に労働法により労働者の権利が補償されていますので、自分の処遇など疑問点があれば、労働基準監督署や地域労働組合組織などにも相談窓口がありますので、問い合わせや相談をしてみるのもよいと思われます。
posted by 労働基準法 at 09:18 | 解雇の知識

パートタイムと労働基準法、労働契約


パートタイムで働く労働者は、正社員に比べて立場が弱いとの印象がありますが、どちらも労働基準法などの労働法が適用されており、同等の扱いがされるべきものです。
パートタイム労働者が正社員と異なる点は、労働法のなかでもパートタイム労働法が適用されることです。
このパートタイム労働法は「1週間の所定労働時間が同一の事業所に雇用される通常の労働者の1週間の所定労働時間に比べて短い労働者」、一般的に「短時間労働者」を対象にしており、呼称が「パートタイマー」「アルバイト」「嘱託」「契約社員」「臨時社員」「準社員」などと異なっていても、前述の条件に該当する労働者は「短時間労働者」としてパートタイム労働法の対象となります。

パートタイム労働法は、近年増え続けるパートタイム労働者が担う役割は、企業の中でも重要な位置を占めており、労働実態により近い法律として、適正な労働条件の確保や教育訓練の実施と福利厚生の充実など、全般的な雇用実態の改善へ向けた様々な措置を講じることにより、パータイム労働者の能力の向上福祉の増進を目的に定められた法律です。
したがって労働基準法での権利も存在しますので、正社員と同様に労働契約時に労働条件の明示を受けることは当然のこととして、その諸条件についても正社員同様に取り扱われることとなります。

しかし「短時間労働者」であることから、有給休暇や休憩時間など、実際に付与される気日数や時間などは、実態に応じたものとなります。
また、通常は賃金についても日給や週休といった単位ではなく、時間給での扱いとなり、企業の定めるところによることとなりますが、最低基準としては各都道府県ごとに定められた「地域別最低賃金」をベースとしています。

パートタイム労働者の労働条件等は正社員と同等とはいっても、現実には使用者とパートタイム労働者の間では、正社員と比較してもやはり立場の弱い実態は否定できません。
パートタイムで働く労働者は、正社員のように所定労働時間での労働が困難なケースが大半であり、諸事情を抱えたなかでの労働であり、特に女性の場合は産前産後休業、育児時間、生理休暇といった母性保護措置が法律で認められていましたが、実態が弱い立場のパートタイム労働者から言い出せず取得もままならないことも多々あったようです。
パートタイム労働法ではこういった「短時間労働者」を保護する観点からも定められた法律です。
また、平成17年4月からは育児・介護休業法の改正により、これまで対象外であった有期契約のパートタイム労働者も、一定の条件を満たせば取得が可能となりました。
posted by 労働基準法 at 11:26 | 労働基準法で定められた労働契約
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