労働契約締結時の禁止事項


労働契約を結ぶ際の労働条件の明示とあわせ、使用者にはいくつかの禁止事項があります。

労働基準法では「労働者への賃金の全額支払」が原則となっており、同法6条でも「中間搾取の排除」を定めています。
これは、労働者が働いて得た賃金を、第三者が不当に中間搾取をすることを禁じるものです。
最近ではあまりないと思いますが、以前には労働者を工事現場などに紹介し、本来その労働者が受取るべき賃金の10%など、一定の割合を紹介者が受取るような営利目的の実態があったようです。
労働者は賃金を全額受取る権利を有しているにも関わらず、賃金の一部をピンハネすることは、明らかに労働基準法に違反するばかりか、そのような職業紹介や中間搾取を容認する前提での募集や供給行為は、職業安定法にも違反することになります。

また、人材派遣会社のように労働者を企業に派遣し、企業から派遣に対する収益を受けることは、一見中間搾取のようにも思えますが、派遣された労働者の雇用契約は派遣会社との間で締結されており、派遣先会社との間に雇用関係は存在せず、賃金は派遣会社から全額受取ることになるため、雇用関係のある派遣元と労働者の間には第三者の存在はなく、中間的な搾取も存在しないことになります。

以下の禁止事項は、労働者を守るための禁止事項です。
  1. 制労働の禁止

  2. 使用者は、暴行、脅迫、監禁その他精神又は身体の自由を不当に拘束する手段によって、労働者の意思に反して労働を強制してはならないことになっています。

  3. 賠償予定の禁止

  4. 会社を辞める際の違約金を定める場合や、会社に損害を与えた場合の賠償予定額などをあらかじめ契約に定めることは、不当に労働の選択を阻害する恐れがあり禁じられています。しかし実際に会社に損害を与えた場合に、労働者の賠償責任をすべて否定したものではありません。

  5. 前借金相殺の禁止

  6. 労働者に対して働く前提での前貸し金がある場合、会社はその労働者の賃金から貸し金を相殺してはいけないことになっています。これは労働基準法第24条での「賃金全額支払」の前提とともに、労働者に対しての強制労働などを防止する観点からです。しかし給料自体の前借や、住宅資金などの借り入れなどは該当しません。>/dd>
  7. 強制的な貯金の禁止

  8. 一般的に使われる言葉で「天引き貯金」ですが、使用者が労働者から強制的に賃金の一部を貯蓄にあてることは禁じられています。貯蓄をする場合は労働組合もしくは社員代表との書面協定を、労働基準監督署に届出ることなど、労働基準法に定められた諸条件を満たさなくてはなりません。

  9. 契約期間等についての禁止事項

  10. 契約期間を定める場合、例外的に高度の専門知識や技能などを有する場合は3年までとしていますが、通常は原則として1年を超えることはできず、また契約期間に定めがあっても、契約期間が経過しても労働者が継続労働している場合、会社側からの意義がない限り、同一労働条件による契約更改をされたとみなします。
    一般的には雇用期間期間を定めないことが多く、この場合でも期間の定めが無いといっても、契約解除に値する正当な理由が無ければ解雇をすることはできません。

このように労働契約を結ぶ際の禁止事項は、労働者の不当な拘束や強制労働などを排除し、労働の自由や賃金を受取る権利を保障することなどを目的としています。

posted by 労働基準法 at 09:18 | 労働基準法で定められた労働契約
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