労働組合の必要性


若年層を中心に「労働組合」と聞くと、何となく遠ざけてしまう雰囲気がありますが、労働組合は労働者が主体となり自主的に組織する団体であり、労働条件などについて使用者との交渉や、職場の中での違法な労働行為の監視など重要な役割を果たしており、現在の活動の範囲は日常の職場環境から、国際的支援・交流活動まで労働組合の規模により、様々な取り組みがおこなわれているようですが、主な活動は以下の3つの柱があると言われています。
  1. 経済活動(賃金交渉や各種諸手当などの改善)

  2. 相互扶助(慶弔金や支援金、共済制度などの助け合い)

  3. 政治活動(労働組合だけでは解決しない政治的課題の改善)

しかし一部労使の間で結ばれた協定内容が、今日の社会情勢に即さない面があるにも関わらず、旧態依然とした形のまま存在している実態もあります。
またこれら一部の実態を捉えて、あたかも労働組合の活動が経済活動や国民生活に害を及ぼすかの発言が、一部の財界人や政治の中にもあるようで、

雇用状況全体では、パートや契約社員といった非正社員が増加している反面、正社員雇用が減少している傾向にあり、労働組合の加入率が年々低下している要因の一つとなっているようです。
平成18年における厚生労働省の調査結果によると雇用者数5,517万人に対して、労働組合数59,019、労働組合員数1,004万人となっており、推定組織率は18.2%と年々減少傾向にあるようです。

労働組合の存在は労働者の生活と権利を守るためにあり、民主的な組織運営をおこなうことが最も重要です。
しかし中には御用組合として、企業のために代弁する労働組合が存在し、労働者の権利は二の次となっているものもあり、労働者の組織離れを引き起こしている原因の一つです。
また中小企業の中には、同族経営やワンマン経営により労働組合の存在すらない企業も多くあるようです。
労働組合は労働者の自主的な運営が基本となりますので、経営側の利益代表者が加入したり、運営に関与することは労働組合とは認められていません。

最近では不況による整理解雇が他人事ではなく、より一層労働組合に求める期待も大きいものがあります。会社を閉鎖する段階で慌てて労働組合を結成し、経営側と交渉をおこなうケースもあるようですが、そうなる前に労働組合の立ち上げや加入といった方法を選択し、日常的に労働者の権利向上はもちろん、健全な企業経営への協力も労働者としておこない、健全な労使関係が双方にとって最善の方法ではないでしょうか。
posted by 労働基準法 at 18:04 | 労働基準法

賃金支払いのルール


労働基準法では、賃金の支払いについても定めたものがあります。
特に、今世間を騒がしているコムスンについても、虚偽申請での事業所指定の不正取得だけではなく、労働基準法違反の疑いも持たれています。

報道によりますと、過去長期間にわたり労働者の賃金から不明朗な天引きがされており、金額的には一人当たり一月200円と僅かな金額に聞こえますが、年間約15億円程度の金額に上るそうです。
労働者個人で見ても長期に渡る天引き(控除)により、かなりの金額と考えられます。

最初に労働者への説明では「個人データの保護・整備の費用」「業務上のケガや破損行為での緊急時の賠償金」「親睦会費」などと、様々な理由を付けて引き落としをしていたとのことです。
また、グッドウィル会長が記者会見で「もしそのような事実があり、納得が得られないのであれば返金する」との説明でしたが、実際の現場では「会長の発言は議決の承認もないので無効」などといって、返金に応じる姿勢はないようです。

本来、情報の保護や整備は企業の責任として当然のことですし、ましてや業務上のケガや賠償などは個人負担の問題ではなく、企業が労働者や被害者などに対して保障するのは当然のことであり「義務」ではないでしょうか。

労働基準法第24条は「賃金は通貨で直接労働者へ支払わねばならない」とし、仮に天引き(控除)等を行う場合は「労働組合もしくは社員の代表との書面協定を締結した場合」としており、今回のケースは本当に会社側の説明が前述のような内容であれば、明らかに労働基準法に違反するどころか、場合によっては詐欺的な行為とみなされる可能性もあります。

賃金の支払い方法についても、企業の独断で行うことは出来ません。
1.通貨での支払い

支払い通貨は日本円とし、現物支給は認められていません。ただし労働者個々の同意に基づく口座への振込みや、労働協約に定める場合は一部現物支給が認められるものもあります。

2.直接労働者へ全額支払う

賃金の受取は本人とし、代理人は認められません。ただし本人が傷病当の事情による場合などは「使者(妻・子等)」に渡すことや、派遣会社経由での支払い、法的措置による手続きなど例外もあります。

3.月1回以上の一定期日での支払い

支払いは毎月1回以上と定められており、週払いや日払いなどがあり、月給の場合は毎月○日、週休の場合は○曜日といった具合に、特定の日を定める必要があります。

また最近の年俸制についても、年間1括での支払いではなく、分割して月1回以上の支払いとしています。
これらが支払いルールとして定めてあり労働協約や就業規則により、支払い方法が各企業毎に定めてあるとおもいます。

先に述べたとおり、賃金の控除についても企業の独断では出来ないようになっていますので、自分の賃金明細を見て疑問な点は確認することをお勧めします。
決して他人事ではありませんよ。

posted by 労働基準法 at 17:44 | 労働基準法

労働者と使用者


労働者は労働基準法をはじめとした、いわゆる労働法の下に保護をされています。
労働時間や解雇の制限、賃金及び時間外手当の受け取りなど、雇用に関する多くの権利を有し保護を受けています。
これはいわゆる労働法上での労働者に対するものであり、働く人全体を指しているわけではありません。

では労働基準法では、労働者以外にどのような人を指しているのかというと、使用者のことを言います。
使用者とは労働基準法では、単に「経営者」を言っているのではなく、労働者の持つ権利への影響力ある立場の人のことをいい、労働者と同様に事業主に雇われている者であっても、労働者を監督、指揮する立場にある者を指しています。

労働基準法第10条では「この法律で使用者とは、事業主又は始業の経営担当者その他その事業の労働者に関する事項について、事業主のために行為をするすべての者をいう」と定義されています。
労働者は正社員だけではなく、パートやアルバイト、契約社員など、広く使用者の監督、指揮の管理下におかれ労働提供を行い報酬を受取っている人を言います。

使用者は事業主や経営者をはじめとして、事業主のために労働者を管理する一定の役職者以上を指しますが、この役職者の範囲は企業により様々で、一般的には一部係長(主査)以上ですが、企業によっては一部ではありますが、主任など役職の肩書きが付いた時点で管理者とするところもあるようです。

総体的には役職だけにとどまらず、実際にどのような権限を有しているのかを考慮し判断することが必要です。
いずれにしても、使用者は労働者を管理することと同時に、保護を行う義務も併せ持っています。

posted by 労働基準法 at 10:00 | 労働基準法

労働基準法の構成




第1章 総則(第1条〜第12条)
     労働条件の原則、労働条件の決定、均等待遇、男女同一
賃金の原則、強制労働の禁止、中間搾取の排除、公民権
行使の保障、定義
第2章  労働契約(第13条〜第23条)
この法律違反の契約、契約期間等、労働条件の明示、賠
償予定の禁止、前借金相殺の禁止、強制貯金、解雇、解
雇制限、解雇予告、退職時当の証明、金品の返還
第3章 賃金(第24条〜第31条)
     賃金の支払、非常時払、休業手当、出来高払制の保障給
、最低賃金
第4章  労働時間、休憩、休日及び年次有給休暇(第32条〜第41
条)労働時間、災害等による臨時の必要性がある場合の
時間外労働等、休憩、休日、時間外及び休日の労働、時
間外・休日及び深夜の割増賃金、時間計算、年次有給休
暇、労働時間及び休憩の特例、労働時間等に関する規定
の適用除外
第5章 安全及び衛生(第42条〜第55条)
     労働安全衛生法に定める
第6章 年少者(第56条〜第64条)
     最低年齢、年少者の証明書、未成年者の労働契約、労働
時間及び休日、深夜業、危険有害業務の就業制限、坑内
労働の禁止、帰郷旅費
第6章の2 妊産婦等(第64条の2〜第68条)
      坑内業務の就業制限、危険有害業務の制限、産前産後、
育児時間、生理日の就業が著しく困難な女性に対する措

第7章   技能者の養成(第69条〜第74条)
      徒弟の弊害排除、職業訓練に関する特例
第8章   災害補償(第75条〜第88条)
      療養補償、休業補償、障害補償、休業補償及び障害補償
の例外、遺族補償、葬祭料、打切補償、分割補償、補償
を受ける権利、他の法律との関係、審査及び仲裁、請負
事業に関する例外、補償に関する細目
第9章   就業規則(第89条〜第93条)
      作成及び届出の義務、作成の手続、制裁規定の制限、法
令及び労働協約との関係、効力
第10章   寄宿舎(第94条〜第96条の3)
      寄宿舎生活の自治、寄宿舎生活の秩序、寄宿舎の設備及
び安全衛生、監督上の行政措置
第11章   監督機関(第97条〜第105条)
      監督機関の職員等、労働基準主管局長等の権限、女性主
管局長の権限、労働基準監督官の権限、監督機関に対す
る申告、報告等、労働基準監督官の義務
第12章   雑則(第105条の2〜第116条)
      国の援助義務、法令等の周知義務、労働者名簿、賃金台
帳、記録の保存、無料証明、国及び公共団体についての
適用、命令の制定、付加金の支払い、時効、経過措置、
適用除外
第13章   罰則(第117条〜第121条)
      附則(抄)(第122条〜第136条)
      別表


posted by 労働基準法 at 16:39 | 労働基準法

労働基準法と命令、通達、判例



法律を補完するために、命令、通達、判例などがありますが、具体的にはどのようなものかを説明します。

【命令】
行政機関が制定する成文法のことをいい、法律の範囲内において定められ、政令、府令、省令、規則、庁令の5種類があります。

  1. 政令・・・内閣が制定するもので、閣議決定と主任大臣と総理大臣の連署で、天皇が公布するもの

  2. 府令・・・総理大臣が発する命令

  3. 省令・・・各大臣が発する命令

  4. 規則・・・行政委員会や人事院、会計検査院が定める命令

  5. 庁令・・・省の外局である庁の長が発する命令


【通達】
法令の条文だけでは解釈や範囲など、企業での実務への適用判断が分かりづらいものとなります。また、行政機関側としても事案への統一性を保持できません。そのため、行政庁が所管の下級行政機関に対して、統一した解釈を示すことが求められ、この判断基準を統一するために発出する運用指針のことです。

【判例】
文字通り最高裁判所の示した判断で、法律解釈として他への適用の可能性があるもの。
法の公平性に配慮し、裁判所の出した先例として以後に影響を及ぼしていく。

以上のように、法律だけでは実際の労働現場である企業では、その法的判断の範囲が非常に広範で、あいまいとしたものとなってしまいます。解釈の多様性を出来うる限り限定するため、命令、通達、判例などにより、運用に統一性を持たせようとするものです。


posted by 労働基準法 at 15:37 | 労働基準法

労働基準法は労働労働法の一部



労働基準法は、労働組合法、労働関係調整法とともに労働三法の一つです。
“労働基準法について”の記事でも書きましたが、最低限の労働条件や労働環境を示す法律であり、いくら使用者と労働者は対等の立場といっても、現実的には雇う側と雇われる側で、決して対等とはいえないのが実態です。

「労働法を構成する主要な法律」として以下のような法律があり、使用者や労働者への義務付けや保護を示しています。

  • 労働安全衛生法

  • 労働基準法

  • 労働組合法

  • 労働関係調整法雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律(男女雇用機会均等法)

  • 育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律

  • 労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律(労働者派遣法)

  • 短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律(いわゆるパートタイム労働法)

  • 職業安定法

  • 最低賃金法

  • 雇用保険法

  • 船員法


これら労働法は、使用者にとっても労働者にとっても大切な法律ですが、示されている内容はあくまでも基準であり解釈にはある程度の幅があります。
これらを補完するものとして命令、通達、判例といったものがあります。
一見、使用者と労働者の利害関係は対立しているかのように思われますが、企業活動の発展と健全化、そして労働者が生活と健康を守りながら働くことは、決して相反することではありません。
使用者にとって、労働法を遵守することは企業自体にも繁栄をもたらしてくれるものとなるでしょう。


posted by 労働基準法 at 15:26 | 労働基準法

労働基準法について



一般的に労働法と呼ばれるものは、法律・命令・通達・判例を総称したものを指し、この中の法律の一つに労働基準法があります。

労働基準法は働く上での条件、いわゆる労働条件の最低基準を示している法律です。
労働基準法に反するもの(最低基準以下のもの)は、たとえ就職時に説明された条件であっても無効となります。
仮に労働契約書と称し契約書に書かれていても、最低基準を満たさないものは無効です。
当然その会社にある就業規則や、労働組合との間で交わし労働協約も同様に無効となります。

しかし、大半の人は「自分は労働契約なんて交わした記憶がない」なんて思っているのではないですか。
じつは労働契約は、あなたが就職して働くことで自動的に成立しているものです。
契約書を作っても作らなくても、労働契約は成立しているものですので、自分はこの会社で「働きます」、会社側も「働いてもらいます」といように合意した時点で、労働契約は交わされたことになります。

労働基準法は働く上で数々の制約受けますが、その基準の一つとされるもので、これに違反しないものが労働契約として有効となり、違反したものはすべて無効となります。

景気の行方は企業、特に規模が小さいほど会社経営を大きく左右します。現実にはそんな中で労働条件はおろか、労働基準法で示されている最低基準すら満たしていない企業も存在するのではないかと思います。

労働基準法では労働者と使用者は対等の立場で労働条件を決めるべきとしています。
このブロクは、ガンバッテ働く者の立場に立ち、労働者の参考となるような記事を書いていきたいと思いますので、よろしくお願いします。


posted by 労働基準法 at 18:13 | 労働基準法
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