有給休暇期間の賃金



有給休暇と言う以上、有給休暇対象日も賃金支払いを受けることとなります。
しかし賃金といっても、支払い基準は企業や職種、勤務の実態等により様々な形態があり、すべてを画一的に算定することが困難となります。

そこで労働基準法第39条6項により、就業規則その他これに順ずるもので支払うと定めてあります。
?@平均賃金
?A所定労働時間労働した場合に支払われる通常の賃金
上記のいずれかの方法で支払うのを原則としていますが、一般的には?Aの方法を用いることが、最もポピュラーとなってします。
しかし企業によっては労働組合、もしくは労働者の過半数の代表者との間で書面協定を締結している場合は、
?B健康保険法第99条第1項で定める標準報酬日額に相当する金額での支払い
を認めています。

【平均賃金】での支払い

“「平均賃金」とは、算定すべき事由の発生した日以前3箇月間(事由発生日は含まず)にその労働者に対し支払われた賃金の総額を、その期間の総日数で除した金額”としています。
しかしながら、賃金総額から除外されるものとして、臨時に支払われた賃金(慶弔金など)や賞与及び法令・労働協約に基づかない現物支給などがあります。

また、以下のように計算基礎から除外される期間や賃金もあります。
・業務上の傷病による休業期間
・産前産後の休業期間
・使用者の責に帰すべき事由による休業期間
・育児、介護休業法による育児、介護休業期間
・試用期間
この「平均賃金」を簡単に計算式で表せば、「3箇月間の賃金総額÷期間の総日数」となりますが、この方法は時間外労働の割り増し賃金も含めるため、あまり一般的ではありません。

また、「平均賃金」を算出する際、場合によっては異常に金額が低くなることがあり、最低保障額を用いることにより、以下の場合は一定の救済を行うものもあります。
・賃金が日給、時間給、出来高給、その他の請負制
・賃金の一部が、月給、週休、その他一定の期間により定められた
・雇入れ後3か月に満たない者

【所定労働時間労働した場合に支払われる通常の賃金】での支払い

一般的には一番簡単な方法で、最も多く使われています。
「月給÷その月の所定労働日数」
「週給÷その週の所定労働日数」
となり、一日あたりで定められた賃金は「日給」、時間あたりで定められた賃金は「時間給×その日の所定労働時間数」というように算定します。
この方式は、事務処理が簡単に行え、通常通り働いたと計算すればいいため、多くの企業で使われていると思われます。
反面、「平均賃金」方式のように総賃金を対象に算出しないため、賞与といった臨時賃金や、時間外での割り増し賃金は算入されません。

【健康保険法で定める標準報酬日額】で支払う場合

労働組合もしくは社員代表による書面協定がある場合に限り認められた方法です。
この方式により、標準報酬日額「健康保険の標準報酬月額÷30」で算出され、この標準報酬月額が変更になった場合に限り、標準報酬日額が変更されます。


posted by 労働基準法 at 10:37 | 労働基準法での有給休暇

契約社員、アルバイト、パートの有給休暇



正社員だけではなく、契約社員やアルバイト、パートタイマーにも有給休暇は付与されます。
しかし、一般的には契約社員やアルバイト、パートタイマーは所定の勤務日数や労働時間が、正社員に比べて短い場合もあり、すべて同じような条件で付与されるとは限りません。

労働基準法第39条3項では、1週間の所定労働時間が厚生労働省で定める時間に満たない労働者は、通常の労働者の週所定労働日数又は週平均労働日数との比率により、厚生労働省令で定めた日数を付与するよう定められています。
そこで有給休暇の付与日数は、労働日数に比例させるものとし「有給休暇の比例付与」としています。

ただし1週あたりの所定労働日数が5日以上もしくは1週あたりの所定労働時間が30時間以上についての付与基準は、一般の労働者と同等の扱いとなります。







半年1年半2年半3年半 4年半5年半6年半
一般の労働者10111214161820
所定労働日数4日/週または所定労働日数が169日〜216日/年78910121315
所定労働日数3日/週または所定労働日数が121日〜168日/年566891011
所定労働日数2日/週または所定労働日数が73日〜120日/年3445667
所定労働日数1日/週または所定労働日数が48日〜72日/年1222333


この一表のような、所定労働日数に応じた年次有給休暇の付与日数が決まっています。
また、契約社員やアルバイト、パートタイムであっても、付与された有給休暇は、正規雇用社員と同様の条件で、有給休暇の取得権を行使することができます。

決して、勤務実態が正社員より短いので、有給休暇の権利が無いなんて思わないでください。これは労働基準法上で決められ、労働者の権利として存在します。
もしこの法律を無視して、有給休暇取得の不当拒否や、有給休暇自体の付与を拒否するなどの行為があった場合、使用者は厳しく罰せられることとなります。


posted by 労働基準法 at 10:12 | 労働基準法での有給休暇

有給休暇日数



有給休暇はどのような基準で決まり、何日くらい付与されるものかを説明します。
労働基準法第39条 使用者は、その雇入れの日から起算して6箇月間継続勤務し全労働日の8割以上出勤した労働者に対して、継続し、又は分割した10労働日の有給休暇を与えなければならない。
と明記されていますが具体的には、有給休暇の日数は何を基準に決まるのでしょうか。

雇入れから半年経過すると10日間の有給休暇が与えられます。そしてその半年から1年経過すると11日さらに、2年経過すると12日と段階的に付与日数が増えていきます。

雇入れ日から6箇月継続勤務         10日間
6箇月後から起算し1年継続勤務       10日間+1日
6箇月後から起算し2年継続勤務       10日間+2日
6箇月後から起算し3年継続勤務       10日間+4日
6箇月後から起算し4年継続勤務       10日間+6日
6箇月後から起算し5年継続勤務       10日間+8日
6箇月後から起算し6年以上継続勤務     10日間+10日

というように、実質的に雇入れの日から6箇月、1年6箇月、2年6箇月、3年6箇月・・・・と経過した時点で年次有給休暇は付与され、日数も6箇月経過の10日間をベースに、経過年数に応じプラス1日、プラス2日、プラス4日・・・・と、最大で年20日間付与されるよう定められています。
ただし、それぞれの有給休暇を付与するそれぞれの経過期間中、全労働日の8割以上出勤したものに認められるものです。
つまり当該期間の初日の属する期間において、出勤日数が8割未満である者に対しては、当該期間初日以後の1年間は有給休暇を与えることを要しないとなっています。
つまり当該年は無付与ということですので、安易に仕事をさぼったりすると、後々えらい目にあいますので、十分気を付け、真面目に働くことをおすすめします。

以下の場合は「全労働日の8割」を計算する際出勤したものとみなされます。(第39条7項)
1.業務上の負傷または疾病により療養のために休業した期間
2.産前産後の休業
3.育児介護休業法による育児と介護休業
4.年次有給休暇を取得した日
また、この有給休暇は、お金のようにどんどん貯めていくという訳には行きません。
それは労働基準法の雑則 第115条により請求権の時効消滅を2年と定めてあります。
わかりやすく説明すると、その年に付与された有給休暇は翌年に繰越すことが出来、その繰越年の末日までに使わないと、以後翌々年には無くなってしまいます。

このことに関連し「有給休暇の買い上げ」があります。
以下のケースのような場合は、労働基準法の趣旨に沿い、労働者に不利益が発生しない前提で、例外的に認められるものもあります。
1.取得後2年が経過し時効となる日数分
2.退職時で使い切っていない日数分
3.法定外に付与した日数分


posted by 労働基準法 at 18:58 | 労働基準法での有給休暇

有給休暇の協定



労働基準法の有給休暇とは」の記事にも書きましたが、ケースによっては有給休暇の取得を、労働者個人の意思に関わり無く休暇日と定めることがあります。

労働基準法第39条5項により「使用者は、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者との書面による協定により、第1項から第3項までの規定による有給休暇を与える時季に関する定めをしたときは、これらの規定による有給休暇の日数のうち5日を超える部分については、前項の規定にかかわらず、その定めにより有給休暇を与えることができる」となっています。

つまり書面による協定を結んだ場合、5日までは労働者個々の意思に基づき取得することが可能ですが、5日を超えるものについて使用者は、協定に定められた日を有給休暇に定めることが出来るものです。

一見、有給休暇を使用者側が計画的に決めることが出来るため、労働者の意思に反し不利益のようにも映りますが、悪い面ばかりではありません。
一般的に職場の中、とりわけ企業の規模か小さいほど、有給休暇を取得するのが、あたかも悪いことのような雰囲気が存在すると思いますが、これらを緩和し有給休暇をとりやすい環境にします。
例えばゴールデンウィークや年末年始に絡めて、大型連休化に設定するなど、協定時に労働者の意見を反映することも可能となります。
また、全体的にも有給休暇取得率の向上や、労動時間の軽減と家庭円満にも一役買うことでしょう。

反面、部分的には希望日の取得が制限されるなどがあります。
いずれにしてもこのような協定の範囲内では、使用者側及び労働者側ともに「時季変更権」と「時季指定権」を行使することが出来なくなります。


posted by 労働基準法 at 18:42 | 労働基準法での有給休暇

有給休暇とは



具体的に「休暇」とは労働基準法ではどのようなものを指すのか、詳しく説明したいと思います。

「休暇」には国民の祝日や慶弔、佳紀、年末年始などさまざまなものがありますが、これらはすべて就業規則で定めることになっており、労働基準法では年次有給休暇のことを言います。

労働基準法第39条では「使用者は、その雇入れの日から起算して6箇月間継続勤務し全
労働日の8割以上出勤した労働者に対して、継続し、又は分割した10労働日の有給休暇を与えなければならない」とされています。

この有給休暇の目的は労働力の再生産、つまり分かりやすく言えば心身ともにリフレッシュをして、またあらたな気持ちで仕事が出来るようにするというもので、労働者の権利であり、使用者側が勝手にその取得を決めることは出来ませんし、むしろ使用者としては有給休暇がとれやすい環境をつくることが要求されます。

労働者は有給休暇を取得するには、その申し出た取得希望日(例えば○月○日の月曜日に有給休暇で休む)とし、これを「時季指定権」と言います。これは使用者への許可は不要であり、権利の行使として認められています。
しかし、いくら権利といっても何でもかんでも好き放題、という訳にはいきません。
この「時季指定権」に対して使用者側にも「時季変更権」というものがあります。
会社側としても、多数の労働者が同時期の有給休暇取得を申請したり、繁忙期における人員確保など、請求時季に申請通りの有給休暇を認めると、業務に著しい支障をきたす場合などは、他の時季に振り替えて休暇を与えることが出来るのが「時季変更権」です。

この「時季変更権」についてもう少し詳しく説明すると、業務への著しい支障については、その職場での仕事の規模や内容および休暇申請者の作業内容の性質等を検討の上、担当作業の代替状況や他の有給休暇取得状況など、総合的に業務への影響を判断した上で「時季変更権」の行使がされますが、一般的には頻繁に発生する状況ではないと思われます。
仮に、このような事態が頻繁に発生する事業所では、スムースな業務運営が出来ておらず、場合によっては著しい業績悪化ということになりかねません。

いずれにしても、有給休暇を取得することは労働者の当然の権利ですので、使用者側から一方的に拒否をしたり、取得を理由に労働者への不利な査定や判断をすることは労働基準法の趣旨からも出来ません。


posted by 労働基準法 at 18:29 | 労働基準法での有給休暇
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。