パート社員の解雇


パートタイム労働基準法労働契約」でも書きましたが、パート労働者とはいえ労働基準法や労働組合法が適用され、更にパートタイム労働法でも定められている通り、会社に対して労働条件と福利厚生など、労働者としての諸権利を主張することが出来ます。
契約期間についても期間を決めた有期雇用や、期限を定めない雇用など様々な形態があります。
有期雇用であっても契約の更新を繰り返す労働者は、実際の労働時間でも正社員とほぼ同じ時間を労働し、労働内容も同レベルのものをおこなっていることも珍しくありません。

しかし、実質的に正社員と同等の労働内容であっても、賃金やポストへの任用など待遇面では格差が大きいのも現実です。
最近では次世代の労働力の確保など、技術や労働力の継承を目的に、短時間労働者正社員化する企業も、若干ではありますが出てきている状況ですが、やはり人件費の抑制のため、パートや臨時社員、契約社員といった短時間労働者を活用するケースが大半を占めています。

パートタイム労働者は企業にとっても欠かせない存在である半面、待遇面では必ずしも十分とはいえないのが現状であり、特に人件費などの面からも長期雇用を拒むケースもあるようです。
しかし実際には正社員と同程度の労働をおこなっている場合や、契約更新を何度も繰り返し行っている場合などは、例え有期期間契約であっても、雇用期間の定めのない契約とみなされ、会社側として更新を拒絶する場合は、解雇に関する法規制が適用されます。

正当な理由もなく解雇することは出来ませんが、解雇できる場合は次の通りです。
  1. 30日前までに解雇予告をした場合

  2. 社員側の責任による懲戒解雇の場合

  3. やむを得ない事情があって解雇する場合

また解雇予告が不要なケースは次の通りです。
  1. 日々雇入れられる労働者

  2. 2か月以内の期間を定めて使用される労働者

  3. 季節的業務に4か月以内の期間を定めて使用される労働者

  4. 試用期間中の労働者

ただし日々雇用の場合は1か月を超えて引き続き雇用され、他の場合は定めた期間を超えて引き続き雇用をしている場合は、解雇予告を必要とします。

パートタイムだからといって不当な扱いにガマンをする必要は無く、大部分では正社員と同様に労働法により労働者の権利が補償されていますので、自分の処遇など疑問点があれば、労働基準監督署や地域労働組合組織などにも相談窓口がありますので、問い合わせや相談をしてみるのもよいと思われます。
posted by 労働基準法 at 09:18 | 解雇の知識

整理解雇の要件と手続き


整理解雇とは、企業業績の悪化や経済変革への対応により、不採算事業や部署の縮小や組織再構築などに伴う人員削減をいい、一般的には「リストラ」と称しています。
「リストラ」は英語のリストラクチャリング(Restructuring)の略で、本来の意味は再(Re)構築(structuring)というもので、単純な組織の再構築を指しており、労働者の解雇を指し示すものではありませんでした。
しかし現実には多くの企業が維持存続をかけ、事業の見直しや業績の回復など、将来への対応を迫られてきました。
企業は、生き残りの選択肢として人員整理を行なって来たことから、本来の意味からかけ離れた解釈で使用されてきました。
では整理解雇にはどのような条件が必要となるのでしょうか。
整理解雇を行うには、次の4つの要件が求められます。
  1. 人員整理の必要性について

余剰人員の整理解雇を行うといっても、労働者の解雇を行う訳ですので、経営上の相当な理由が必要です。一般的には企業の維持存続のための経営が危うい場合や、そのような状態に至らないまでも、企業が客観的に高度の経営危機下にある場合など、現状の経営状態は良好でも、体質強化をしなければ将来の経営の安定化に備える場合など、相当な必要性に迫られていると判断される場合にのみ、人員整理の検討が可能になります。また、そのような状態に至らないまでも将来時に予想される経営の備えについての人員整理は、その時点での必要性と緊急性が低いと思われ、整理解雇をすることはできません。人員整理は基本的に、労働者に特段の責められるべき理由がないのに、使用者の都合により一方的におこなわれるため、慎重に判断すべきものです。企業の運営上やむを得ないよほどの合理的理由が求められます。

  • 解雇回避努力義務の履行について

  • 期間の定めのない雇用契約においては、解雇は最後の選択手段であることを要求されます。役員報酬の削減、新規採用の抑制、希望退職者の募集、配置転換、出向等によって、整理解雇を回避するための経営努力おこなわれ、真に整理解雇に着手することがやむを得ないと判断できる必要があります。

  • 被解雇者を選定する合理性について

  • 整理解雇を行うにしても、具体的人選も合理的かつ公平でなければならなりません。基準なしに、特定の労働者を選択した解雇もできませんし、女性、高齢者や特定思想の持ち主などの解雇もできません。しかし、勤務状態など日常の労働評価について見当されても止むを得ない面も否定できません。

  • 手続の妥当性について

  • 整理解雇に当たって、手続の妥当性が非常に重視されています。労使の合意事項があるにも関わらず、労働組合への説明・協議、納得を得ないままの解雇は、他の要件を満たす場合であっても無効とされるケースも多いようです。

    企業業績の悪化や経済変革という理由があったとしても、しれは労働者の責任ではなく経営責任の問題であり、経営者の都合で人員整理という解雇はできるものではありません。
    もし整理解雇をおこなうにしても、使用者は人員整理の手続きをおこなうにあたっても、労働者に対して誠意を持った説明と協議をおこなう義務があります。
    posted by 労働基準法 at 09:37 | 解雇の知識

    解雇の適用範囲


    解雇については厳しく規制されている反面、正当な理由のある場合は解雇を行うことが出来ます。
    しかし理由の正当性についても、実際にはその理由を示さず、一方的な解雇があるのも現実です。
    では、解雇の正当理由とはどういったものを言うのでしょうか。
    懲戒解雇に該当するものは会社や社会の秩序に、著しく違反を行った場合で懲戒処分を受けるものです。
    また整理解雇は、企業の経営不振や効率化に伴う人員整理などを言います。
    懲戒解雇や整理解雇については、納得し難い部分はあるものの、理由は比較的明確です。

    普通解雇については、使用者側の主観的な要素も入り、判断が微妙なものも多くありますが、概ね以下の点が主な理由として挙げられます。
    1. 傷病休職期間が満了しても健康面から労働復帰できない場合

    2. 長期欠勤・勤務不良や勤務成績など著しく労働能力面に民代のある場合

    3. 会社秩序を著しく乱す場合

    しかし、これらの事実が発生したからといって、一方的な解雇理由とはなりません。
    • 本当に解雇の必要性があるか

    • 解雇回避のための努力を尽くしたか

    • 人選は客観的か

    • 説明・協議、納得を得るための十分な手順は行ったか

    といったように、客観的かつ合理的な理由に相当するのかどうかの判断により、解雇の有効性について確認しなければなりません。

    また、解雇が認められるケースとして、以下のものがあります。
    1. 30日前までの解雇予告

    2. 社員側の責任による懲戒解雇

    3. やむをえない事情による解雇

    などがありますが、これらの適用範囲としては、「労働者の労務提供の不能」「職場規律や懲罰による違反」「合理化のための人員整理」などがあり、これ以外の解雇は認められません。
    使用者側の解雇についても、いろいろな形での制約があり、労働者の不利益となるような一方的な解雇は、民法をはじめ労働基準法や関連法により守られています。

    しかし一部の企業では、守るべき法やルールがありながら、現実的には犯されているものも少なくありません。
    また、「合理化による人員整理」は企業にとっても、労働者にとっても招かれざる事態であり、一概に労働者の権利の主張だけでは解決しないのも事実です。

    posted by 労働基準法 at 16:43 | 解雇の知識

    解雇の規制と種類


    解雇とは、使用者から労働者が労働契約の解除をされることであり、労働基準法第18章の2では、「客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする」と定められています。

    解雇そのものを規制する法律はありませんが、労働者を解雇から守るものとして、労働基準法労働組合法男女雇用機会均等法育児・介護休業法などがあり、これらの中に解雇を規制する条項が定められています。
    • 国籍、信条、社会的身分を理由とする解雇(労働基準法第3条)

    • 業務上の傷病による休業期間及びその後30日間の解雇(労働基準法第19条)

    • 産前産後の休業期間及びその後30日間の解雇(労働基準法第19条)

    • 解雇予告または解雇予告手当の支払いを行わないなど解雇の手続きに問題がある解雇(労働基準法第20条)

    • 労働者が労働基準監督署へ申告したことを理由とする解雇(労働基準法第104条)

    • 労働者が労働組合に加入していることを理由とするなど不当労働行為となる解雇(労働組合法第7条)

    • 女性であること、あるいは女性が婚姻、妊娠、出産したこと、産前産後の休業をしたことを理由とする解雇(男女雇用機会均等法第11条)

    • 育児・介護休業の申し出をしたこと、または育児・介護休業を取得したことを理由とする解雇(育児・介護休業法第10条)

    • 権利の濫用に該当する解雇(民法第1条第3項)

    • 公序良俗に反する解雇(民法第90条)

    解雇により労働者の不利益を守るため、使用者による一方的な解雇を制限しており、会社側に客観的・合理的で正当な理由がない限り、解雇権の濫用となります。

    解雇には次のようなものがあります。
    懲戒解雇

    会社への横領や不正、重大な過失及び長期にわたる無断欠勤や、最近では酒気帯び運転によるものもあります。

    諭旨解雇

    不祥事など懲戒解雇に相当した懲罰的な意味合いを持ちますが、違いについては曖昧です。会社によっては懲戒解雇と分けることにより退職金等、事後の労働者への配慮がされていますが定められた定義はありません。

    普通解雇

    長期的な療養が続き回復の見込みがないものや、採用要件に見合う能力が著しく不足し、かつ向上の見込みがない場合などがありますか、使用者側の主観での判断が少なくなく、不当解雇となるケースもあります。

    整理解雇

    法律用語ではなく判例により使われた用語で、人員整理として使われます。

    不当解雇

    使用者により労働協約や就業規則が守られず、正当な理由が無い場合です。


    posted by 労働基準法 at 11:00 | 解雇の知識
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