健康診断の種類と健診項目


企業での健康診断には様々な種類がありますが、法令により実施の義務付けがされているのは主に一般健康診断特殊健康診断臨時の健康診断の3つに区分されます。
その中で比較的大半の労働者が受診する一般健康診断は、職場での健康被害への様々な因子の早期発見及び健康状態の把握を目的として、労働者への結果通知と必要な事後措置の実施や保険指導をおこないます。
その結果、必要に応じて医師等の意見に基づき、労働者の健康状態を考慮した労働環境や労働時間などへの措置が講じられます。
一般健康診断は次の種類があります。
  1. 新規雇用などの雇入れ時の健康診断

  2. 年1回定期的におこなう定期健康診断

  3. 半年毎に特定業務(深夜業など)従事者におこなう特定業務従事者の健康診断

  4. 6か月以上海外に派遣される労働者におこなう海外派遣労働者の健康診断

  5. 各種健康診断で結核が発病するおそれのある者におこなう結核健康診断

1.〜3.の健診項目は以下の通りです。
  • 既往歴及び業務歴の調査

  • 自覚症状及び他覚症状の有無の検査

  • 身長、体重、視力、聴力(千ヘルツ及び四千ヘルツの音に係る聴力検査)

  • 胸部エックス線検査、喀痰検査

  • 血圧の測定

  • 貧血検査(血色素量、赤血球数)

  • 肝機能検査(GOT、GPT、γ-GTP)

  • 血中脂質検査(血清総コレステロール、HDLコレステロール、血清トリグリセライド)

  • 血糖検査(血中グルコース量またはヘモグロビンA1Cのいずれか)

  • 尿検査(尿中の糖及び蛋白の有無の検査)

  • 心電図検査(安静時心電図検査)

4.の海外派遣労働者の健診項目は以下の通りです。
【派遣時】
  • 胸部画像検査

  • 血液長の尿酸の量の検査

  • B型肝炎ウィルス抗体検査

  • ABO式及びPh式の血液型検査

【帰国時】
  • 胸部画像検査

  • 血液長の尿酸の量の検査

  • B型肝炎ウィルス抗体検査

  • 糞便塗抹検査

5.の結核健康診断は以下通りです。
  • エックス線直接撮影による検査及喀痰検査

  • 聴診、打診その他必要な検査

posted by 労働基準法 at 10:00 | 労働者の健康

労働者の健康診断


企業での健康診断は、規模の大きい企業ほど検診の実施率は高いのですが、小規模企業になるほど実施率が下がる傾向にあるようです。
労働安全衛生法では、企業に対して「1年に1回定期健康診断の実施」を義務付けており、実施しない企業に対して処罰されることもあります。
この定期健康診断の費用についても、労働安全衛生法には負担者の明記はありませんが、実施義務は企業に課せられていることから、企業で負担すべきものとして通達がでていますが、小規模企業などの場合は、定期健康診断の費用が経営上の大きな負担となるケースもあるため、常時50人未満の労働者を使用する小規模事業場の事業者が産業医の要件を備えた医師を共同して選任し、当該医師から提供される産業保健サービスを受けて実施する産業保健活動により、労働者の健康管理等を促進することを奨励するために支給される「小規模事業場産業保健活動支援促進助成金」の活用をすることができます。

健康診断のメニューについても、最近では一般的な項目に加え、生活習慣病に関する項目やメンタルヘルス対策といったように、ただ診断を受けるだけにとどまらす、医師による面接指導なども導入され、心身の両面からの健康の確保と推進をはかるようになっています。

また健康診断受診時の賃金について、通達では一般的な健康確保を目的として企業に実施義務は課してありますが、一般的な健康確保は業務遂行との直接的関連性が薄いため、受診に要した時間については労使協議で定めるとしています。
しかし、あわせて労働者の健康確保は、事業の円滑な運営にとっても不可欠な条件であることを考えると、その受診に要した時間の賃金を事業者が支払うことが望ましいとされています。
つまり定期健康診断の実施は労働時間と解釈され有給扱いとするように通達されているということです。

労働者の中にはいろいろな理由をつけて、定期健康診断を受診しない者もいるようです。
このような労働者は、自分の健康状態に対して不安を持っているため、あえて状態が判明するのを極端に嫌っている傾向にあるようです。
定期健康診断は企業に対しても実施義務を課すことと同時に、労働者側にも健康な状態での労働の提供をおこなう必要から受診義務があります。
これは前述したように「健康な状態での労働は事業の円滑な運営にとっても不可欠な条件」でもあるためであり、労働者としても通常従事する労働に対して、充分に労働を提供できることを企業に示す必要があります。
いずれにしても企業と労働者双方にとって、心身ともに健康で元気に働くことは、労働者の健康管理は当然として、企業自体の信頼性にもつながっていきます。
posted by 労働基準法 at 09:39 | 労働者の健康
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